勝つためのノウハウが求められるいま、あえて「負け」の視点からその価値を見いだし、まちとまちを作る人を見ていくこと。
廃墟という負けの景観を残す人気のまちづくりや、観光に頼りすぎた京都の商品化から来る弱点などの地域論。若者による負けアイドルの推し活やZ世代のSNSと関係読解リテラシー、勝ち続けていたフジテレビに象徴される「テレビ局負けるが勝ち」など、人との関係性から仕事術まで、「負け」が価値を生み出す事例を幅広くとらえ議論する。
勝ちパターン、ノウハウ、マニュアルという「正しさ」に無批判に追従しているだけでは、「価値」も「勝ち」も得られないものである。悪しき権力性とは「正しさ」の独占のことである。そのような、ありがちな権力性に陥るのを忌避し、それしかない「正しさ」から距離を置く態度とは何か。「負けることの価値」とは「価値観が変容することを妨げないこと」であるetc…「負け」を主題に地域論から人生論まで、その多様な拡がりを描いてゆく!
第一章 廃墟とヴァルネラビリティ
ヴァルネラビリティから「負け」を考える(河井)
廃墟に見るは「負け」なのか
(桑野和之…クリーク・アンド・リバー社)
第二章 隙間と地域
隙間があると「負け」るのかー構造的空隙という考え方(河井)
京都が直面する「負け」の危機と、見直されるべき複雑さの価値
(河井冬穂…ローカルライター)
第三章 栄えることと衰えること
栄枯盛衰という「負け」(河井)
「推し」からみる負けと勝ち
(山元純奈・田中葵…アイドル推し実践者)
第四章 SNSが強いる関係読解リテラシー
戦略的時系列弱者としての「負け(河井)
「Z世代」のSNS活用からみる「負け」と価値
(岡 航大…元桜美林エリアデザイン研究所)
コラム 内向型の負けと勝ち
「強い紐帯を失うことは『負け』なのか(河井)
内向型の負けと勝ち(實原絵美里…フェリス女学院大学卒)
第五章 「負け」は何を生み出すのか
「人間万事塞翁が馬」での「負け」とは何か(河井)
テレビ局負けるが勝ち(鎮目博道…テレビプロデューサー)
第六章 負けを勝ちにする(価値)にする仕事術
存在的「勝ち」を内包した表面的「負け」(河井)
負けるが価値とは何か(荻野健一…デジタルハリウッド大学)
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