芸能としての能・狂言と、それを描いた絵画との間にはいかなる関係性があるのか。近年、新たに研究材料として注目され始めた中近世の絵巻・絵本・屏風・絵鑑などの資料的価値と、その物語絵としての文芸的価値に着目。能楽の絵画的展開を明らかにするとともに、視角芸術として影響を与え合った相互の受容の過程を、豊富な図版を交えて探る。
序 能楽の絵画資料研究を拓く/1 能楽絵画の諸相と資料的意義(能《百万》の絵巻・絵本とその資料性/絵画から見る能楽史ー研究資料としての能絵/『能絵鑑』の制作と変転ー宇和島本を中心にして/『狂言絵』の形成とその環境/狂言古演出の探究ー『狂言絵』の図様を手がかりに)/2 近世前期における能楽の絵画的展開(能楽を題材とした物語絵の展開/『張良』絵巻における絵画化の方法/屛風絵に描かれた能《藤戸》)/3 能と物語絵の相互関係(能《大江山》と『大江山絵詞』/能《源氏供養》制作の背景ー石山寺における紫式部信仰/是害房の物語絵と能《善界》-物語絵と能の相互関係/麻呂子親王鬼神退治の縁起絵と番外曲《丸子》 /能から物語絵へー《玉井》と『かみよ物語』絵巻/補論『小敦盛』絵巻の挿絵に見られる能の影響)
レビュー(0件)