【POD】近代イギリス文学の忘れられた名作シリーズ(2)
第1巻で述べたように、いずれの国でも時が経てば、いくら傑作であっても忘れられて行く名作があるものである。出版された当時は名声を誇ったが、時代の流れには勝てずに、流れに没して消え去って行く運命にあるものもある。本の命も、燃え上がった恋に似ている。だが、筆者は時の流れに没していった名著を今一度復活させて、陽の光に輝かせたいという思いから、それらを発掘し蘇らせることに残り少ない余生を捧げることにした。丁度イギリスの詩人アルジャーノン・スウィンバーンが名作『ライオネスのトリストラム』という詩において、恋の精髄「トリスタンとイゾルデ」の復活を試みたのと同様である。誰かが語り継ぎ、歌い継ぎしていかないと、命あるものはすべて滅び去るのがこの世の習いである。筆者が取り上げた作品が今でも読者の鑑賞に堪える名作であるか否かは、お読み頂いた上でご判断を願いたい。筆者としては、懸命に復活の努力を傾けた積りである。
レビュー(0件)