「家族」を変える体外受精 「生殖補助医療法」は機能するのか
2020年、日本で初めて「生殖補助医療法」が制定された。この法により、精子、卵子、胚の提供による生殖が可能となった。しかし、不妊の人々や他者のために自己の生殖身体を提供する人々、そして何より生まれた子どもの社会的着地点は見いだせるだろうか。応えは否である。それは、生殖細胞の提供者の法的位置・情報管理、提供者の健康被害の救済について何もなされていない、さらに生まれた子どもへの情報開示についても考慮されていないからである。今日、「性愛」や「子どもの位相」、何より「家族」が大きく変わりつつある。とりわけ「父・母・子」からなる「日本型近代家族」の中に「子産み」は無反省のまま放り込まれたままである。本書は、戦後の日本型近代家族における「性愛」と「子ども位相」を振り返り、生殖医療技術が子産みにいかなる変容を促してきたかを明らかにし、初の「生殖補助医療法」の問題点を明らかにしている。
はじめに
第1章 「生殖補助医療法」は機能するか?
第2章 生殖技術と家族
第3章 生殖技術と揺れる親子の絆
第4章 生殖と家族ー身体の物象化をめぐってー
第5章 生殖における身体観の変容 -新生殖技術が開示する親子間の行方ー
第6章 生殖技術と自己決定 -代理母のエッセンス/ポリティクスー
第7章 ジェンダーフレイムから見た新生殖技術
第8章 「生殖補助医療法」、積み残した問題
結びに代えて
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