アフリカ文学・児童文学独立研究者、仏日翻訳者 村田はるせ、初の詩集!
《きっと薄墨色の 濃淡がことなるやわらかな紙を用意して
ゆったりとした波形に切りとったのだろう
それを少しずつずらして重ねたのだろう
咲きかけのばらの花びらが ちょうどそうであるように》
(「空の仕業」より)
村田はるせさんの詩は、強い言葉や表現はなく、かといって、それではその言葉の連なりを「柔らかい」とか「優しい」とか、そういうふうに形容するのもためらわれます。
シンプルな言葉遣いの中に、自己を見失わない確かな意志と、まっすぐな視線を感じます。
《自信にみちた声が理路整然と迫ってきて
わたしのほうが悪いような気がしても
透明の盾を構えてむかっていく稽古》
(「稽古」より)
詩集『気配』をお読みくださるみなさんの心に、なにがしかの糧が、足跡を残すと願います。
目次
〈鏡のなか〉
鏡
忘れたいこと
晴れた日には忘れほうけたままでいることども
雪の日
いるということ
し
泣くな
稽古
魚が泳ぐように
にげる
あのですね
ノッポとちび
〈まのわるい人たち〉
まのわるい人たち
小犬をつれた
車窓 北陸新幹線
選択
敵だらけ
〈わたしの外の声〉
みはる
いつかの記憶
蝉の弔い
投書
夜の家いえ
詩をする
わたしの外の声
冬寺
蝉時雨
狭間のとき 狭間の景色
鴉は映画を観ない
鳩と卵焼き
空の仕業
気配 白岩源流にて
〈うまれたのでも ない まち〉
思郷の
花がさく -ビルマの首都にてー
単線電車の無人駅音頭
駅長
幻の打ち明け話
あとがき
レビュー(0件)