1990年代以降の経済的な危機のなか、都市空間や住居空間はどのように変容してきたのか。ルフェーブルやフーコーの議論を補助線にしながら、1990年代から現在までの空間のありようをたどり、流動性や利便性を求める空間の「不自由さ」を批判的に検証する。
序 章 「空間の不自由」を問うということ
第1章 新自由主義と空間の暴力ーー金融資本と空間の接合
1 サブプライムローン問題と住宅という財
2 都市空間の変貌
3 空間開発と金融資本
4 公共空間の市場化と社会的所有の放棄
第2章 都市空間の変容のなかのオリンピックーー再開発のなかの建築と空間
1 書き換えられる都市空間
2 フローの空間としての東京ーー首都高と経済空間への書き換え
3 フローの空間としての都市ーー新自由主義化する空間
4 二〇二〇年オリンピックの空間
第3章 囲われる空間のパラドックス
1 生活を囲い込むこと
2 集住空間のセキュリティ
3 測定される安全/危険
4 象徴暴力とコミュニティ
5 逆説的な安全な空間
第4章 スマートシティと生政治ーーパブリックープライベートの産業から住むことの統治に向けて
1 スマートシティと空間ーーテクノロジーは何を対象にするのか
2 産業としてのスマートシティ
3 生政治としてのスマートシティ
第5章 郊外空間の反転した世界ーー『空中庭園』と住空間の経験
1 表象としての住宅
2 郊外と「住まわせる論理」
3 郊外または反転した世界
4 性愛の空間としての郊外
終 章 新型コロナ禍と「ホーム」という場所ーーカフカ「巣穴」を読む
1 コロナ禍と権力の問題
2 カフカ「巣穴」とホーム
あとがき
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