漱石のあまりメジャーでない作品を読もうと思って買いました。 『野分』はとてもよかったです。 あまりに志が高く、世間に受け入れられない先生と、先生を慕う純粋な若者、俗世的な友人という三者三様のキャラクター設定がよかった。 先生と若者は似て非なるものだし、俗世的な友人にしても、決して悪い人間ではない、というところもよい。 文章が難しくて読みづらいところもあったが、全体としてはとてもレベルの高い作品で、個人的には『それから』に匹敵する傑作だと思いました。,漱石ファンの夫に頼まれて、注文しました。 本屋に行かずに、ネットで送料無料で買えるのは便利です。,「二百十日」は会話主体で読みやすい分、周辺の描写が抑えられているため、主人公二人の関係性や二人を取り巻く状況がやや判り難い点もありますが、ユーモラスな結末に思わずニヤリ。「二百十日」の発展したものと思われる「野分」は、道也(どうや)先生の演説シーンが圧巻。そして、少し物悲しくもヒューマニティ溢れる結末が印象的です。,いやー、もうホント凄いとしか言い様がないです。 解説には、これはこの後の作品の習作であるとありますが、それどころではないと思う。 並みの作家の傑作レベルだと感じました。 「二百十日」はあまりに短いので、確かに習作という感じはありますが、世間に対する漱石の所信表明というか、対決姿勢というか、兎に角短いながらも熱い作品です。 「野分」は、ホントに文句なく素晴らしい。 クライマックスの道也先生の演説には鳥肌が立ちました。 訳の分からん占い紛いより、よっぽど生き方の指標を明確に提示していると思う。 ただそれだけでは説教臭くなるところですが、「猫」で見られたようなユーモアや「草枕」的な美的描写が間に入るので、読んでいるうちに自然と漱石の考えに触れられます。 この匙加減が見事。,彫刻家、萩原碌山の名前がこのお話(二百十日)の主人公から取られていると聞いて読んでみました。 なるほど・・碌山はこう言う本が好きなんですね。
レビュー(42件)
『野分』はよかった
漱石のあまりメジャーでない作品を読もうと思って買いました。 『野分』はとてもよかったです。 あまりに志が高く、世間に受け入れられない先生と、先生を慕う純粋な若者、俗世的な友人という三者三様のキャラクター設定がよかった。 先生と若者は似て非なるものだし、俗世的な友人にしても、決して悪い人間ではない、というところもよい。 文章が難しくて読みづらいところもあったが、全体としてはとてもレベルの高い作品で、個人的には『それから』に匹敵する傑作だと思いました。
漱石ファンの夫に頼まれて、注文しました。 本屋に行かずに、ネットで送料無料で買えるのは便利です。
「二百十日」は会話主体で読みやすい分、周辺の描写が抑えられているため、主人公二人の関係性や二人を取り巻く状況がやや判り難い点もありますが、ユーモラスな結末に思わずニヤリ。「二百十日」の発展したものと思われる「野分」は、道也(どうや)先生の演説シーンが圧巻。そして、少し物悲しくもヒューマニティ溢れる結末が印象的です。
いやー、もうホント凄いとしか言い様がないです。 解説には、これはこの後の作品の習作であるとありますが、それどころではないと思う。 並みの作家の傑作レベルだと感じました。 「二百十日」はあまりに短いので、確かに習作という感じはありますが、世間に対する漱石の所信表明というか、対決姿勢というか、兎に角短いながらも熱い作品です。 「野分」は、ホントに文句なく素晴らしい。 クライマックスの道也先生の演説には鳥肌が立ちました。 訳の分からん占い紛いより、よっぽど生き方の指標を明確に提示していると思う。 ただそれだけでは説教臭くなるところですが、「猫」で見られたようなユーモアや「草枕」的な美的描写が間に入るので、読んでいるうちに自然と漱石の考えに触れられます。 この匙加減が見事。
彫刻家、萩原碌山の名前がこのお話(二百十日)の主人公から取られていると聞いて読んでみました。 なるほど・・碌山はこう言う本が好きなんですね。