シーズー犬の老師が居る大野家に、元気の良いジャーマンミックスの保護犬がやってきた。『ニコ』と名付けられた少年犬が老師の薫陶を受けながら、現代社会の構造を理解していく。ある日ニコは、テレビに映し出されたアフリカ飢餓児の瞳に、胸を締め付けられる。そのおののきは、【生命の記憶の共鳴】であり、生命が他の生命に向けて送る【警告】で有ることを師から教えられる。そして、人間の『知恵』は、古来より『天』から恵まれたものであり、天の使い番が自分たち犬族であったことを知る。ニコ自身も資格審査をパスして使い番となり、使命を果たす。結果、アフリカを苦しめていた収奪の軛は除かれてアフリカは統一共和国となり、飢餓児童は救われる。【欲】を是とし【節約】を非とする経済原理を土台として成立している現代社会。その原理の故に生じた歪みが、自然環境を破壊し、若き実労働者たちを押し潰し、『家族』という花も咲かせられず『出産』という実も実らせられず枯れさせてしまう様な現代社会構造。この構造を一気に解消するには『天の力』が必要であるが、私たち一人一人が自覚を持って『我欲』を制御出来るならば、やがては平等で、環境と共存出来る社会を創り上げられる可能性があるのではないかと著者は問いかけている。
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