《気分の発見》から《哲学の気分の喚起》へ
気分の問題は、ハイデガーの哲学とつねに密接な関係をもっていた。しかし、彼の哲学はけっして〈気分についての哲学〉ではない。むしろ彼にとって重要であったのは〈哲学のための気分〉であり、哲学の根本気分を喚起することは人間存在の有限性の明示化を意味した。ハイデガーの気分理解を探究することをつうじて、その人間理解に迫る論考。
序 章 ハイデガーの思索と気分の問題
第一章 《事実性の解釈学》と気分の哲学的発見
--初期フライブルク講義をめぐって
第一節 生の根源学
第二節 宗教的な生の現象学
第三節 事実性の解釈学
第四節 事実性と気分
第二章 《現存在の現象学》と情態論
--『存在と時間』を中心として
第一節 『存在と時間』と情態論
第二節 ハイデガーのパトス解釈と情態論
第三節 不安の情態
第四節 ハイデガーの情態論と気分論の諸相
第三章 ハイデガーの《解釈学》の哲学的可能性
第一節 ハイデガーの《解釈学》と直覚の問題
第二節 ハイデガーの《解釈学》と哲学の学問性の問題
第三節 ハイデガーの《解釈学》に対するガダマーの批判的評価
第四節 「事実的な生」の気分と詩作の解釈学的可能性
第四章 《現存在の形而上学》と根本気分論
--『存在と時間』以後
第一節 「現存在の形而上学」の理念と有限性の問題
第二節 存在問題と不安の気分
第三節 哲学と根本気分としての退屈
第四節 根本気分論の展開
第五節 ハイデガーと西田における根本気分の問題
終 章 人間存在の有限性の思索に向けて
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