記号化される日本 -台湾における哈日現象の系譜と現在ー
「哈日族」(日本の現代大衆文化を好む台湾の若年層=台湾の日本オタク)の動向について歴史を繙き、フィールドワークと理論的分析を重ねながら、台湾人の親日感情の構造を分析する。「日本化」⇒「脱日本化・中国化」⇒「日本化」というマクロ的な流れの中で、台湾人の中の多様な日本のイメージの変化を「記号化」として読み取ってゆく。
本書の特色
●台湾の「哈日現象」を、歴史、フィールドワーク、社会学理論などによって多角的に分析。
●豊富なフィールドワークやインタビューは理論化を補強しつつ、読者に具体的な事象を伝える。
●日本のポップカルチャーの東アジアへの発信についても貴重な情報を提供。
序 章 問題の所在と本書の目的
1.研究背景
2.研究視座
3.研究方法と研究対象
4.本書の構成
▼第一部▲………………哈日現象の系譜
第1章 新聞記事にみる哈日現象の展開と変容
1.新聞記事にみる哈日現象の展開と変容
2.哈日現象の再定義
第2章 断続的に存在する〈日本〉
1.植民地期における日本の記号化
2.戒厳令期における〈日本〉表象の変容
3.哈日現象との断続
まとめ
▼第二部▲………………哈日現象の現在
第3章 歴史と現代が混合する台北西門町
1.台北西門町の昨今
2.台北西門町の現在:2012〜2017
3.西門町の重層的な景観:ジェンダー化と序列化の消費空間
第4章 オタク文化で特徴づけられる台北地下街
1.台北地下街の概略
2.台北地下街の現在:2012〜2017
3.男性オタクを中心とする消費空間
第5章 哈日族のライフストーリー
1.男性アイドルを妄想する女性ファン:AさんとCさん
2.女性アイドルグループを「追っかける」男性ファン:FさんとGさん
3.女性アイドルに対する女性ファンの視線:DさんとEさん
4.〈日本〉に囲まれる生活を生きる女性オタクBさん
5.成人向けゲームの「プロ」:Hさん
6.声優も愛する男性オタク:IさんとJさん
7.「脱哈日」後も〈日本〉との関係性が続くKさん
まとめ
▼第三部▲…「〈日本〉への愛着」の体系
第6章 哈日族の妄想とセクシュアリティの構築
1.哈日族のグッズコレクション
2.グッズに投影されるファンの欲望と妄想
3.哈日族の〈日本〉を巡る集合的想像
第7章 現代台湾社会における〈日本〉の位置づけ
1.本土化とグローバル化にみる〈日本〉
2.〈日本〉への眼差しを解く
まとめ
終 章「日本の記号化」の系譜にみる親日感情の重層的構造
1.はじめに
2.本書を振り返って
3.「日本の記号化」から見いだす親日的な社会構造とその形成の系譜
4.「〈日本〉への愛着」の解析:重層的構造を持つファンタジー
5.おわりに
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