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恋のライバルが人間だとは限らない! 洋食屋の青年・藤丸が慕うのは“植物”の研究に一途な大学院生・本村さん。殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、植物と人間たちが豊かに交差するーー 本村さんに恋をして、どんどん植物の世界に分け入る藤丸青年。小さな生きものたちの姿に、人間の心の不思議もあふれ出し……風変りな理系の人々とお料理男子が紡ぐ、美味しくて温かな青春小説。
恋のライバルが人間だとは限らない! 洋食屋の青年・藤丸が慕うのは“植物”の研究に一途な大学院生・本村さん。殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、植物と人間たちが豊かに交差するーー 本村さんに恋をして、どんどん植物の世界に分け入る藤丸青年。小さな生きものたちの姿に、人間の心の不思議もあふれ出し……風変りな理系の人々とお料理男子が紡ぐ、美味しくて温かな青春小説。
レビュー(502件)
表紙に惹かれてなんとなく購入しましたが、内容も良かったです。 植物が好きなので楽しめました。
ほんわかした、何だか優しいお話でした。主人公の男性の性格がすごく良くて、こんな人に出会って見たいと思いました。
いや愛はある。形が違うだけで。
三浦しをんのお仕事シリーズ。近いところにはいたのであるあるとしてクスリとしながら読めたけど,一般には馴染みのない分野を,破綻のない程度によく書き込んであると思う。まぁ,雰囲気を作り出すための描写だから本質にはほとんど影響がない。 愛なき世界?いや愛はある。形が違うだけで。
名文
東京・本郷。赤門で有名なT大学の近くに在る「円福亭」で修業中の藤丸陽太は、デリバリーに出向いた同大大学院で植物を研究する本村紗英に好意を抱く。が、本村は植物ひと筋……。DNAなど植物の基本構成を始め堅苦しい世界ながら、分かりやすい文章で読ませるあたりはさすが。難しいことを分かりやすく書くのが名文だと井上ひさしは言ったが、まさに三浦氏に当てはまる。付け加えれば、氏はエッセイにも滲み出るように三の線が持ち味。本作にはそれも生かされている。読み始めて直ぐ、表題の意味にも気付く。
途中ですこしだれた
新聞掲載時、毎日楽しみに読んでいたので、書籍化されてわりとすぐ購入しました。植物の勾配の話が専門的なため、途中すこし混乱しながら読んだり流し読みしましたが、全体としてはいつものしをん節がちょこちょこみられる読み応えのある一冊です。