16歳の当事者が書いたサバイバルガイド
ロンドンに住むティーンエージャー、シエナ・カステロンはASD(自閉スペクトラム症)。12歳のときにASDと診断されるが、数学と物理でずば抜けた成績を上げ、16歳で本書を書き上げる。自閉症やアスペルガー症候群に関する本はたくさんあるが、10代のASD女子が書いた本は初めて。
ASDに対する社会の偏見やいじめへの対処、日常生活・社会生活で苦慮していること、心理的な悩み、身体のケア、SNSとのつきあい方などなど、ASD女子が直面する問題や疑問に、実体験をとおして具体的にアドバイス。ASD女子に贈るサバイバルガイドのみならず、一般の人にとっても心に迫る文言に満ちている一冊。
第1章 わたしのこと
第2章 女子のASDは見えにくい
第3章 ASDを打ち明けるとき
第4章 自分らしく生きるって言うけれど
第5章 つきまとう感覚過敏にどうつきあえばいい?
第6章 身体ケアのアドバイス
第7章 ネガティブな感情になったとき
第8章 自分好みのファッションスタイル
第9章 友だちづきあいのポイント
第10章 恋愛のモヤモヤ
第11章 ジェンダーアイデンティティに対して
第12章 学校生活を悪夢にしないために
第13章 いじめの現実……
レビュー(1件)
今まで色々なASD関連本を読んできましたが、一番参考になりました。様々な困りごとを、作者はどう乗り越えてきたかが、ものすごく具体的に語られています。 人間関係の部分は、定型発達でも参考になる部分が沢山あると思います。自分が思春期の頃出会っていたら、人間関係もっと上手く出来たかもなぁ… 子どもはまだ幼稚園児で感覚過敏はあまり無さそうので、今取り入れられる部分は少なかったですが、小学生になったらこの本を参考にどんな配慮を周りにしてほしいか相談したり、中学生になったら本人に読み込んでもらえたらいいなと思います。 いじめの部分は読んでいて辛いですが、「あなたはあなたらしくいて大丈夫」とずっと語りかけてくれるのが嬉しいです。ASDの自分を受け入れ、自信を持って大人になってくれたら嬉しいな。
著者自身がASD当事者である数少ない書籍
子供の頃から自分と他人との差異に違和感を覚え、成人して数年経った今現在、ASDの女性をモデルとしたテレビドラマを視聴しあまりに自分とそっくり(もはや生き写し)な言動や思考を客観的に見て自身のASDを疑い関連書籍を読み情報収集をしています。 ほとんどの書籍は専門の医師や研究者によって書かれたものばかりで、客観的ではありますが実践的ではありませんでした。しかしこの本は著者自身がASDやADHD等の特性を持つ女性なので、本当に心底共感できますし私が抱え続けてきた疑問にも全てではないものの正解に近い回答を与えてくれました。 ASDの当事者の方にはもちろん、ASDではない人達にこそ一読してほしい書籍です。