滋賀県ではギフチョウが減り、ナガサキアゲハが増えている。近畿地方のオオセンチコガネは色によって分布域が異なる。夏に比良山地の頂上付近に移動するアキアカネ(赤トンボの一種)は雌の方が多い──。種数が多い昆虫の研究には、地域の人たちといっしょに調べることが欠かせない。琵琶湖博物館の開館以来、昆虫担当学芸員として滋賀県を主なフィールドとして研究してきた著者が、トンボ、チョウ、オサムシなどさまざまな昆虫の分布や生態に関わる興味深い話題とともに虫好き人間の活動を紹介。
第1章 昆虫を調べる
1 琵琶湖地域に昆虫は何種いるのか?
2 新種の昆虫
3 40年以上見つかっていないカワムラナベブタムシ探索物語
4 近江はトンボの宝庫
5 地域の人たちとの共同研究 滋賀県のオサムシの分布調査
6 近畿地方のオオオサムシ亜属の系統進化
7 カワウの巣の昆虫たち
8 琵琶湖、滋賀県の地名が和名についた昆虫
9 ミイデラゴミムシの名前の由来
第2章 昆虫の移り変わり
10 減ったチョウ、増えたチョウ
11 トンボの宝庫が危ない 滋賀県のトンボの分布の移り変わり
12 姿を消したミノムシ
13 近年、絶滅した昆虫たち
14 180万年前に生息していた昆虫と古環境
15 鮮新世後期に日本から絶滅した昆虫
16 過去の滋賀県のチョウ相が分かる布藤コレクション
コラム 博物館のまわりの気になる昆虫
初雪を告げるユキムシ/やっかいもの? ビワコムシ/シナノキに見られる奇妙な形の昆虫
第3章 昆虫の分布と暮らし
17 長距離移動するアサギマダラ
18 避暑のため山に登るアキアカネ
19 湖岸砂浜をすみかにする昆虫たち
20 ヨシ原の昆虫
21 滋賀県は昆虫の分布の境界となる地域
22 近畿地方のオオセンチコガネのカラーバリエーション
第4章 昆虫と人
23 昆虫好きの人たち1 滋賀むしの会
24 昆虫好きの人たち2 はしかけ「虫架け」
25 酒の肴に昆虫を食べる人たち
26 近江の養蚕文化
27 近江の蜂の巣とり名人
28 企業連携で希少トンボの保全
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