近代科学がもたらした技術は、いかに表現手段や想像力を変容させてきたのか。科学を滋養として増殖する文学の諸相を探る刺激的論集。
はじめに:文学と科学の妙なる関係【中村靖子】
第I部 啓蒙主義以降の科学とポエジー
第1章:科学的術語の詩的展開ー「引力と斥力」「プロトプラズマ」を例として【中村靖子】
第2章:啓蒙の時代の処方箋ー確実性を緩和するポエジー【ハンス・ミヒャエル・シュラルプ】
第II部 20世紀の科学技術と文学の変容
第3章:「キュビスム文学」における科学者の視点と虚構の世界ーマックス・ジャコブ『聖マトレル』とブレーズ・サンドラール『モラヴァジーヌ』【松井裕美】
第4章:ゲオルク・ハイムのベルリン風景ー技術化される一元論と見せかけの世界【大林侑平】
第5章「正しい日本」を描くということー戦間期の「国際映画」製作とテクノロジー【中川拓哉】
第III部 「戦後」を表現する
第6章:ピーノ・パスカーリと虚構の彫刻ー一九六〇年代イタリアの芸術における文化的葛藤と呪術的想像力【池野絢子】
第7章:地獄のコウモリダコからビットの世界へーヴィレム・フルッサーの円環的思考【越智和弘】
第8章:レベッカ・ホルンの『反時計回りのコンサート』-非在を喚起する場としてのツヴィンガー牢獄【越智和弘】
第IV部 21世紀の文学の射程
第9章:我望む、ゆえに我ありー欲望の不在と意識の消失【大平英樹】
第10章:思考実験と虚構世界、仮想世界、可能世界【三浦俊彦】
おわりに:科学を滋養として増殖する文学【中村靖子】
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