地球規模の「気候変動」や「地球温暖化」というグローバルな概念は、個人の経験からは得られない。また、ある地域の観測だけからもわからない。では、それらの「グローバルな概念」は、今日見られるようにどのようにして世界中の大衆の一人一人に定着していったのか? 本書では、議論の前提となる、気象・気候観測の歴史をはじめ、世界規模での観測ネットワークの確立、国際間のデータ共有のための社会制度、コンピュータなどの科学技術の進展、ノーベル賞を受賞した真鍋淑郎博士が手がけた気候モデルの発展などをたどりながら、地球温暖化などのグローバルな概念の元となった、モデルから得られた気候データの成立を紐解く。そして、それらが世界の気候政治に与えた影響を俯瞰しながら、そのグローバルな気候データが、人類の知の基盤となっていく経過を紹介する。海外にて数多くの賞を受章し、ブックレビューも多数掲載された大作『A Vast Machine』の待望の邦訳!
第1章 グローバルに考える
第2章 地球空間と万国標準時ーーーー地球大気を知る
第3章 標準とネットワークーーーー国際的な気象学とレゾー・モンディアル
第4章 第二次世界大戦前の気候学と気候変動
第5章 摩擦
第6章 数値予報
第7章 気候予測ーーーー期限のない予報
第8章 グローバルデータの作成
第9章 世界最初のグローバルネットワーク
第10章 データのグローバル化
第11章 気象データを巡る戦争
第12章 再解析ーーーー過去の気象データの作り直し
第13章 パラメータと知の限界
第14章 大気のシミュレーションと国際政治ーーーー1960年ー1992年
第15章 シグナルとノイズーーーー合意、論争、そして気候変動
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