近代日本は「熱帯医学」と「開拓医学」という2つの植民地医学の体系「帝国医療」に植民地や占領地域の統治のための明確な役割を持たせ東アジアの再編をめざした。台湾統治における衛生行政を起点とし、八重山、満洲、朝鮮、中国などで展開されたマラリア対策の多様な問題系を抉り出し、東アジアの統治秩序や広域秩序の形成に与えた影響を検討する。復刊に刊行にあたり、「補論 北海道開拓とマラリア」(書き下ろし)を増補。
序論 マラリアは語る
I部 植民地医学・帝国医療とマラリア
第1章 日本の台湾統治とマラリア
第2章 20世紀前半、八重山のマラリア対策ーー台湾経験の位相
II部 植民地医学・帝国医療の構造
第3章 近代日本の衛生学と植民地医学・帝国医療ーー伝染病研究所・植民地医学校・社会医学第
第4章 戦争と植民地医学
III部 第二次大戦後、東アジアのマラリア
第5章 米軍統治下、八重山のマラリア対策
第6章 中国のマラリア対策ーー愛国衛生運動の歴史的位置
第7章 戦後日本のマラリア研究ーー断絶と継承
結論 東アジアにおける植民地医学・帝国医療
補論 北海道開拓とマラリア
増補新装版へのあとがき/初版あとがき
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