差別/被差別関係(複合差別)として論じられてきた差別問題の歴史を辿り、そのリアリティに社会学(者)がどのように向き合い、別様な関係性(共同性)を立ち上げているのか。部落問題と在日朝鮮人問題が、都市下層社会のなかでいかように立ち現れ、行政権力がどのように差別、当事者団体、地域社会を変容させていくのか。本書はその問いを詳細に抉る。
はじめに 本書のねらい
序章 本書における方法論的課題
第1部 都市下層社会と差別の変容ー分断と横断の地域社会史
第1章 高度経済成長期における同和地区とスラムの形成
第2章 スラム対策と住民運動の生成過程
第3章 キリスト教系社会事業の位置と「地域化」という戦略
第4章 「不法占拠地域」における住民運動の条件
ー同和地区/スラムからの空間的分断
第5章 都市下層社会における住民主体の論理と構造
ー行政権力とコミュニティ
第2部 行政権力の動態と住民主体の行方
-差別是正のパラドックスのなかで
第6章 同和行政における執行規準の発動メカニズム
ー行政権力による画一化と「逸脱」
第7章 拘束する制度と規範化
ー住宅地区改良事業と隣保事業という重石
第8章 同和行政「廃止」のポリティクス
ー「同和」(「隣保」)から「多文化共生」へ
第9章 地域社会における住民主体の行方
ーエリアマネジメントから大学移転のまちづくりへ
終章 地域社会の自立を描くエスノグラフィに向けて
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