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金融事件史上、最大の不正融資事件。巨大組織スルガ銀行に勝利した被害者同盟の闘いを克明に描く。軽い気持ちで友人の誘いに乗った「かぼちゃの馬車」は、地獄の一丁目行きだった。2億円の借金を背負わされた被害者の、2年に渡る苦しみと闘いの日々を描くドキュメント!2018年、スルガ銀行による巨額の不正融資事件が発覚。時の金融庁長官に「地方銀行の雄」とまで評価されたスルガ銀行だったが、シェアハウス不正融資事件の元凶として巨大な壁となり被害者たちには長く苦しい闘いの日々が待っていた。被害者の一人である著者は、徐々に同志を増やし被害者同盟を結成。社会派弁護士らとの出会いにより一人では到底勝ち目のない闘いをチーム戦で挑み、累積1570億円の債権放棄を勝ち取った。被害者だからこそ知り得た詐欺事件の裏側を、実体験をもとに克明に描き出した本書は、誰の身にも迫りうる詐欺被害への注意を喚起する、必読の一冊である。 第一章 触手 第二章 悪夢 第三章 覚悟 第四章 混沌 第五章 折衝 第六章 決戦 第七章 潮目 第八章 終結 SS被害者同盟 声明
レビュー(16件)
スルガ銀行の実態に驚きました
最近テレビで取り上げられていたため購入しました。著者が銀行相手に立ち向かい、前例のない勝利を勝ち取った実話ですが、本当にドラマのようでした。この内容から銀行を信じられなくなり、かなりの衝撃でした。そもそも銀行は不正を行うことはないといった前提だったため、ただただ驚きです。この問題に真正面から取り組み解決に導いた著者の統率力に新たなリーダーシップ論を学びました。 実際の被害者の体験が記載されており、多くの方々にまた詐欺被害に合う人を一人でも多く救うために読んでほしい本だと思います。
壮絶過ぎる
世間では自己責任と周知されている投資だが、本件も同様に思いながら読み進めていたがこれは詐欺。もっと認識を広めないと被害者の命が危ない。また現在も案件は違えど被害者が増える。著者のような先駆者の声を世間に知らしめる必要あります。もっと多くの人に知ってもらいたいと思える本です。
読んでみて驚きました。騙される方が悪いという人もいるようですが、そもそも銀行がこのようなことをするとは思わない。不動産屋はともかく、銀行が客をだまそうとして事業として成立しない案件を持ち込み、資料の改ざんまでして多額の融資を行う。銀行という企業が人を騙そうと手ぐすね引いているとはだれも思わないでしょう。結局強欲な金貸しでしかないんだなという感想です。しかも、スルガ銀行はシェアハウスを解決したのをいいことに、未だに被害を訴えているアパートマンション不正融資の被害者に真摯に向き合っていないと聞きます。なぜこのような企業が営業を許されるのか。知らぬ存ぜぬを通せるのか。監督官庁は何をしているのか。国を信じられなくなります。 本書は、内容としては、被害の実態とともに、詐欺被害者をいかに取りまとめ、闘い抜いたかの記録です。普通のサラリーマンだった筆者が、いつしかリーダーとなり、被害者たちのさまざまな意見を取りまとめ、膨大な資料を整理・分析し、弁護団とともに勝利をつかむ記録です。今後もこのような被害者は現れるだろうと筆者は危惧し、退職して救済にあたる団体を立ち上げるまでされました。感服に値します。闘いのチームビルディングの記録としても秀逸だと思います。
40代管理職必読。巨人詐欺集団との闘い。
スルガ銀行という地銀の雄といわれた信用第一の金融機関が、巨大詐欺事件を引き起こすとは! 絶句するところから始まりました。 著者は、社会経験も積んで、判断力も高いはず。このような、リテラシーの高い方が、どういう手口で詐欺にはまるかを事実とその心のうちを克明につづられています。 40代は、会社で働き盛りで経験値を積んできて、責任の重いポジションにある。同時に、親・夫という側面もあり、子供の養育費や老後資金など、残りの働ける期間や体力の低下で不安が増大する時期。 そのような方の心のちょっとした隙に付け込む業者。そして、それを可能にする、不正まみれの審査で巨額の融資をするスルガ銀行という構図が克明に記されています。 私も、この本を読まなければ、同様の詐欺にあっていたかもしれません。実名で責任をもって上梓していただき、ただただありがたい本です。 このような詐欺被害を抑止するための最後の各方面への提言は、真摯に受け止めてほしいです。 また、身を挺して次なる被害者救済に動かれている著者への尊敬の念が湧きあがる一冊です。 40代管理職に、特にお勧めです。
早期解決がスルガ銀行の再生ではないのか
現在でも解決されていないアパートマンション不正融資の被害者が競売開始されたというニュースを見て、どのような被害なのか知りたくて読みました。 もし、スルガ銀行が解決できない事情があるなら、詐欺行為で成り立っている企業だからという理由しか思い付かない。 だとすれば倒産するべき企業だし、そうでなければ早期に解決して、再生の道を邁進するのが本来あるべき姿だと思う。