芸能界、それは自由で華やかな憧れの世界。しかし一歩その中に足を踏み入れてみると、そこは将来への保証など存在せずハラスメントが横行する、無法の世界だ。しかし、このままでいいのだろうか? 俳優でありながら法整備とルール作りに奮闘した著者が、芸能界のこれまでを鋭く批判し、これからのあるべき姿を描き出す。
序 章 「大切なのは勇気」--越えられない壁に立ち向かう
1 働き方の実態ーー私たちの調査で見えてきたこと
第1章 「芸能界で働く」とは
第2章 NOと言えないハラスメント
第3章 コロナ禍に何が起こったか
第4章 誰にも守られない働き方
2 芸能界の働き方改革が始まった
第5章 セーフティネットを作るーー特別加入労災保険
第6章 まっとうな契約へ
第7章 フリーランス法
第8章 メンタルヘルスケア
3 これからの芸能界
第9章 未来をつくる白書ーー過労死防止対策
第10章 残された課題と対策
主なアンケート・調査
あとがき
レビュー(4件)
センセーショナルな、それでいて地道な積み
女優でもある著者は芸能界の理不尽に対し、立った一人で声を上げた。行政の助けを借りるにはデータが必要と、反発を覚悟でアンケート調査を開始、なんども省庁に通い、何度も絶望しながらもついに令和3年、芸能従事者の労災保険特別加入を実現する。しかし芸能界が変わったわけではない。まだまだ道半ばなのだ… そんな著者を突き動かすのは世界の芸能界の先駆者たちと日本でつらい目にあってきた著者の周りの人々の心の叫びだ。著者が代表理事を務める一般社団法人日本芸能従事者協会が収集してきたアンケートの回答には心が揺り動かされる。名前なきアンケート回答者が本書の第二の主人公なのだ。 本書は著者の戦いの記録である。そして、一方で、労災やハラスメント、適正取引に関する入門書としても読める。芸能に関わっている人、友人家族に芸能関係者がいる人、そして何より、芸能従事者と取引する立場の人に届いてほしい。