江戸時代の百姓たちにとって、川や池からの農業用水の確保は死活問題であった。近隣の村々は用水組合を結成して円滑に取水するためのルールをつくるが、水不足の際には、用水を過分に奪う村が現れ、他村との激しい対立を生み、領主や幕府のもとでの訴訟闘争に発展した。本書では、江戸時代の優れた用水・治水の知恵や水争いのパターンを網羅的に押さえつつ、現在の大阪府域の村々の300年にわたる水争いの歴史を一次史料から詳細かつ分かりやすく読み解く。中世から江戸期、そして江戸期から明治時代にかけて、水争いの様相はどう変化したか。水資源を奪い合う百姓たちの切実さと、紛争解決への努力の足跡が明らかになる。
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