日本の原子物理学の父、仁科芳雄の足跡を軸に、国内に「科学研究のインフラストラクチャー」が初めて築かれた時代を破格のスケールで描き出す<科学史的伝記>。新発見の文書も含む膨大な資料を渉猟し、朝永振一郎をして「超人的」と言わしめた仁科の仕事の全容を浮かび上がらせる。
下巻では原爆研究の実情や、科学界の戦後再編など、事実関係が長く問われ議論されてきたテーマの数々に、ついに説得力ある描像を与えた。ノーベル物理学賞を多数生み出した今日の素粒子・高エネルギー物理学分野のルーツの物語でもあり、日本の科学者について書かれた伝記の水準を押し上げる画期的著作。
IV 研究の開花と巨大科学への道
第16章 学振第一〇小委員会と宇宙線中の新粒子
第17章 原子核物理と小サイクロトロン
第18章 生物・医学研究者として
第19章 中間子理論と素粒子論グループ──湯川・朝永・坂田と仁科
第20章 六〇インチ・サイクロトロンの建設
V 戦争
第21章 総動員下の学術政策
第22章 理研における戦時核エネルギー研究
第23章 原爆投下と被害調査
VI 戦後と復興
第24章 サイクロトロンの破壊とラジオアイソトープの輸入
第25章 学術体制刷新運動と日本学術会議
第26章 理研所長から科研社長へ
第27章 学術外交と死
第28章 遺産
あとがき
仁科芳雄 年譜
図版出典一覧/注記/事項索引/人名索引
レビュー(0件)