表現アートセラピーは、絵やダンス・ムーブメント、声や音楽、ドラマ、詩や物語など、すべてのアート表現を使う統合的な芸術療法である。子どもから高齢者まで幅広い年齢層に対して用いることが可能で、言葉で語れないこと、語り尽くせないことを、受け止めることができる。
本書では、この懐の深い表現アートセラピーを米国で学んだ執筆者4人が、多様な現場、さまざまなクライエントに対して行なってきた臨床実践を紹介する。
例えば総合病院で慢性疼痛の患者さんの痛み緩和に、薬物依存症患者さんのリハビリに。あるいはケアする人のためのセルフケアとして。
また、外来クリニックで、特に子どものトラウマ治療の一環として。精神科病院で、慢性期病棟、急性期病棟、デイケア等、病棟に応じたグループで行う心理療法として。
さらにコロナ禍で実用化されたオンラインでの実践も興味深い。
意識を「いま、ここ」に集中し、無意識との接点をもち、自分の中の豊かさや可能性に触れさせてくれるアート表現は、人を生き生きとさせてくれる。本書は広範囲にわたる分野における、さまざまな人を対象とした表現アートセラピーの活用方策を具体的に示してくれる1冊である。
はじめに
第1章 表現アートセラピーの広がりと実践……小野京子
【コラム】表現アートセラピーとの出会い
第2章 表現アートセラピーの医療と教育現場における応用……笠井 綾
【コラム】プロセスとしてのアートと出会う
第3章 トラウマ治療における表現アートセラピーの実践……ジョーンズ美香
【コラム】なぜ私は表現アートセラピストになったのか?
第4章 表現アートセラピーを使った精神科での臨床……濱中寛之
【コラム】芸術に導かれて
おわりに
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