規範的な意味の要請に「抗う」ことによって、新たな解釈可能性が開かれる。近代小説をクリティカルに読み解く行為を通じて、テクストの強度を浮かびあがらせる試み。
1“語り”への抵抗と異化
読むことの差別─島崎藤村『破戒』
過去を書き換えるということ─夏目漱石『門』における記憶と他者
転位する語り─森鷗外『雁』
自壊する「女語り」─太宰治「千代女」の言説をめぐって
自己物語の戦略─中島敦「山月記」を読み直す
2 社会的・文化的文脈のなかで
モデル問題、受難から策略へー島崎藤村の場合
告白・教室・権力─『破戒』の構図
戦争と自己犠牲のディスクールー宮沢賢治「烏の北斗七星」
哄笑する“細部”─島田雅彦『ロココ町』
3 ジェンダー/セクシュアリティへの視点
「作者の性」という制度─宮本百合子『伸子』とフェミニズム批評への視点
性/「書く」ことの政治学─島崎藤村『新生』における男性性の戦略─
氾濫ー反乱するシニフィアン─有島武郎『或る女』の物語言説をめぐって
父=作者であることへの欲望─島崎藤村「嵐」の自伝性を読む
4 テクストを生きるーロラン・バルトとエクリチュールの理念ー
読むことの偶発性・一回性・有限性
─ロラン・バルト「作者の死」「作品からテクストへ」についてのノート
エクリチュールの痕跡
─古市憲寿「百の夜は跳ねて」・北条裕子「美しい顔」と現代小説のオリジナリティ─
テクストを歩く─アニメ聖地巡礼と「還元不可能な複数性」をめぐって
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