徳田虎雄氏の「正体」に迫る決定版評伝
日本一の病院帝国を築いた徳洲会創設者・徳田虎雄氏がいま、己の「生」と向き合っている。ALSとは身体を動かす神経系が壊れ、全身の筋肉が縮んでいく難病だ。02年春に同病を患った徳田氏は、もはや全身の自由が利かない。
それでも眼球の動きで文字盤を追いながら、こう語るのだ。「これからがじんせいのしょうぶ」。
だがそんな徳田氏にも「運命の時」が近づいている。13年に徳洲会グループは、次男・毅氏の衆院選を巡る公選法違反容疑事件で東京地検特捜部の強制捜査を受ける。さらに徳田氏自身の病も進行し、眼の動きすらままならなくなる「完全なる閉じ込め状態」も、近く訪れるかもしれない。
窮地の徳田氏の「心奥」と徳洲会騒動の「核心」を気鋭のジャーナリスト・青木理氏が描く。
レビュー(18件)
猪瀬さんの辞任問題でさらに有名になった徳洲会。その徳洲会を率いる徳田虎雄氏のルポルタージュ。 いや、エネルギッシュ。すさまじい、といった表現がぴったりの人物です。 ALSという難病に取りつかれてなお、徳洲会の頂点に君臨し続ける徳田氏。その破天荒な生き方を生い立ちからつぶさに取材して描いています。 著者の多岐にわたる取材量だけでもハンパないなとため息が出ますが、とにかく、描かれている徳田氏のパワフルさに圧倒され、読んでいるこちらがなんだか疲れたような気がしてしまいます。読むほうもエネルギーが要ります。 ある意味魅力的な人物として描かれ、読み進むうちに彼のやり方を肯定してしまいそうになりますが、著者の俯瞰した目線や反対の立場の人物の意見もちゃんと随所に散らばっているのでそのたびに正位置に引き戻されます。 興味がつきない人物ですね。彼の病気もさらに進行していくのだろうし、今後徳洲会はどこへ行くのでしょう。