意識とは、「世界の波」に乗るためのサーフボードである
意識や自己はいかに生まれるのかーー。長年、神経学者や哲学者を悩ませてきた心身問題に、〈時間〉という要素を取り入れることで、新たなアプローチを提唱する。
私が言いたいのは、今や脳と心に関する見方にも、コペルニクス的転回が必要とされているということだ。脳も心も無時間的なものではない。私は本書で、いかに脳が脳内時間を構築し、それによって意識や自己などの心的機能が生じているのかを論じてきた。(本書「コーダ」より)
はじめに 心のサーフィンと脳
古代ギリシアの時間ーークロノスとカイロス
古典物理学における時間ーーコンテナ的時間観
現代物理学における時間ーー構築的時間観
古代中国の教訓ーー脳の力動から心の力動へ
心的機能ーー「世界─脳」関係
心的機能は力動的である
本書の構成
人間以外の時間ーー他の動物、人工知能、心身問題
波としての自己
第1章 脳の時間
はじめに
脳内時間
時間と空間の収斂
能動的な脳と脳内時間
結論
第2章 脳の時間から世界の時間へ
はじめに
脳の時間ーースケールフリー性と意識
脳+世界=意識
「世界に閉じ込められる」対「世界から締め出される」
結論
第3章 脳の時間と身体の時間のタンゴ
はじめに
タンゴの時間ーー脳と身体
脳─身体の時間から意識のコンテンツへ
意識は特別なものなのか?
結論
第4章 自己の時間とその持続
はじめに
脳の内的な時間と自己
内的時間から持続へ
自己ーー非時間的か、時間的か?
結論
第5章 脳と心における時間の速さ
はじめに
遅すぎるケースと速すぎるケースーーうつと躁病
うつにおける自己ーー自己の増大と極度の遅さ
結論
第6章 人間の時間を超えて
はじめに
動物におけるタイムスケール
人工エージェントにおけるタイムスケール
心身問題から「世界─脳」問題へ
結論
コーダ 神経科学と哲学におけるコペルニクス的転回
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