鋭敏な色彩感覚に恵まれた眼と手を頼りに、国内はもとよりシルクロードからヨーロッパ大陸まで「失われた色を求めて」精力的に駆け回り、日本古来の色を現代に甦らせた植物染の第一人者、吉岡幸雄。色と染と織の世界を歯切れよい筆致で綴り、多くの読者を獲得した著者が遺した単行本未収録のエッセイでたどる、染と織の道。
1 失われた色を求めて
古儀に準じて
薬師寺玄奘会
奇跡の染織品が遺る正倉院
眼の記憶
何事も自然とともに
2 私の色見本
生命の色ーー赤
高貴な色ーー紫
親しみの色ーー藍
豊麗な色、魔力の色ーー黄・金
草木花の色ーー緑と襲の色目
渡来した鮮烈な色ーー蘇芳と臙脂
江戸時代の町人の色ーー茶・黒・白
近代の色、現代の色
3 染織史を歩く
卑弥呼の赤
絞
縞・格子
津軽こぎん
紬
近世日本におけるインド更紗の受容
4 染屋覚書
幼きころに見たもの
新年の彩 鮮烈な赤
清浄なる紙衣
春の芽吹き 春のかおり
桜の花に心よせるとき
初夏の頃 紫の季
小暑、大暑へとつづく深緑
秋の夜空に 七夕・乞巧奠の儀式
祭礼に彩りを添える 石清水祭の供花神饌
重陽の節句 秋色を探す
秋の季を想う 澄んだ紅葉の色
雪のかたち 氷の色
あとがき……………吉岡更紗
初出一覧
図版提供・図版撮影
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