この悲劇を知らずにいていいはずがないー。終戦前後の満州で何が起きていたのか、語られることのなかった満州開拓の凄惨な記憶。戦後20年に帰還者の証言を集め、信濃毎日新聞が世に放った衝撃の連載記事を、再び書籍化する。国策の名の下に海を渡った長野県開拓団のうち、特に過酷な運命をたどった「高社郷」や「更級郷」をはじめ、貧しい農村部からの団の過酷な結末を再現する。反戦ジャーナリストむのたけじ氏にちなむ「むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞」で第1回大賞を受賞したTVディレクター黒崎正己氏による解説つき。当時の満州政策を教訓に現代への警鐘を鳴らす。
1 満州へ、満州へ
忘れ得ぬ悪夢/結成の動き/せっぱつまって/移民の幕明け/先遣隊の出発/きびしい自然との戦い/元気な子どもたち/拡大する戦火
2 北満の哀歌
敗戦まぢか/ついにソ連参戦/現地の人たち/“死”への旅立ち/生を求めて逃避/鹿島台の戦い/最後に残された“自由”/読経の中、自決つづく/ 死地からの脱出/国境越えた救いの手/希望と不安の抑留生活/美しき祖国の山河
3 あいつぐ悲劇
読書郷/大日向郷/泰阜郷/阿智郷・南信濃郷/更級郷/富士見郷/東筑摩郷/上高井郷/佐久郷
4 ああ義勇隊
悲運背負う義勇隊/襲われた若い命/義勇隊見殺しの軍命令/泥にまみれて逃避行
5 悲運の開拓史
敗戦史のひとこま/半数が荒野で犠牲/涙さそう紅顔の義勇隊/青春の喜びもなく
取材記者座談会
解説 満蒙開拓団の記録が問いかける意味(黒崎正己)
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