1965年に米軍がベトナム民主共和国へ北爆開始、50万人の大軍を投入し本格的となった。米軍は軍事関連施設のみを爆撃の対象と言いつつ、実際には病院・学校・民家・キリスト教会・農業施設等、枯葉剤やナパーム弾を用いて「皆殺し作戦」を行なった。枯葉剤は戦後に健康被害や出産異常を引き起こし、焼夷兵器のナパーム弾は広範囲を無差別に焼き尽くした。又、米軍や同盟国軍が一般村民に、無差別機銃掃討や大量殺戮、女性に対する強姦殺害、家屋の放火等があった。後にベトナム女性との混血児が確認されている。其の米国に対抗する為に前線へ出た男性に代わって後方で婦人部隊が組織され、農作業の際にも銃を所持し町の警備に当たる等をして、民衆全体が米国に対して抵抗し独立に向かって戦った。 南のベトナム共和国の大統領グエン・バン・チューは強烈な反共主義者であったが、南ベトナムでの麻薬の不正取引の元締めでベトコンからも麻薬を入手していた。更に南部の政府は不正や汚職が蔓延し、軍も堕落し規律の維持も難しくなり、一般市民は米軍に媚び諂って売春等が流行り、全てが腐敗していた。 ホー・チ・ミンは戦争中の1969年に亡くなられたが、共産主義の実現よりも民族解放・ベトナム独立が生涯の主要課題であった。又、腐敗や汚職、粛清に無縁で、禁欲的で無私な指導者であった。自らが個人崇拝の対象になる事を嫌っていた。自伝の類を残さず現存する霊廟等は、ベトナム労働党政治局がホーの遺言を無視して作ってしまった。その高潔な人柄から民衆から尊崇を集めて愛された。 本書の著者は1964年に南ベトナムの米軍に同行し、南ベトナムの独裁政権と介入する米国に抵抗していたベトコンを向こうにして米軍側からの視点で取材した。国際世論の米国批判が高まる前であった事、米国との同盟国の日本、「…堕落…傲慢、無知、侮蔑、恐怖、無神論…」が米国と南側の同盟国軍に存在、米国追従国家日本の特にメディアの姿勢等も影響にあった様な内容であるように感じる。南部の腐敗は伺えたが、米国帝国主義による北側への無差別爆撃等の虐殺、侵略行為については、本書からは全く解らない。ベトナム側の視点に立ち、その様な米軍の悪の「真実」が解る様な内容の方が私にとっては良かった様に思い、残念である。知識の余り無い人にとっては、視点を持つ側、或いは主人公の側が正義の様に勘違いされ、相手の敵が悪者と勘違いされかねない。,すごいです。文章に独特の力と個性があります。軟弱な文章ではありません。もう一度読み返しています。,開高健を読み漁ろうと思います。読み漁る。,ひとりで寝る事と、ふたりで寝る事。 小説とはどんなものなのか読者に突きつける。 ,入院中の父に頼まれて購入(こればっかりですが) 「面白い」と言うよりも「考えさせられる」本だったようです。
レビュー(64件)
アメリカ帝国ベトナム侵略従軍記
1965年に米軍がベトナム民主共和国へ北爆開始、50万人の大軍を投入し本格的となった。米軍は軍事関連施設のみを爆撃の対象と言いつつ、実際には病院・学校・民家・キリスト教会・農業施設等、枯葉剤やナパーム弾を用いて「皆殺し作戦」を行なった。枯葉剤は戦後に健康被害や出産異常を引き起こし、焼夷兵器のナパーム弾は広範囲を無差別に焼き尽くした。又、米軍や同盟国軍が一般村民に、無差別機銃掃討や大量殺戮、女性に対する強姦殺害、家屋の放火等があった。後にベトナム女性との混血児が確認されている。其の米国に対抗する為に前線へ出た男性に代わって後方で婦人部隊が組織され、農作業の際にも銃を所持し町の警備に当たる等をして、民衆全体が米国に対して抵抗し独立に向かって戦った。 南のベトナム共和国の大統領グエン・バン・チューは強烈な反共主義者であったが、南ベトナムでの麻薬の不正取引の元締めでベトコンからも麻薬を入手していた。更に南部の政府は不正や汚職が蔓延し、軍も堕落し規律の維持も難しくなり、一般市民は米軍に媚び諂って売春等が流行り、全てが腐敗していた。 ホー・チ・ミンは戦争中の1969年に亡くなられたが、共産主義の実現よりも民族解放・ベトナム独立が生涯の主要課題であった。又、腐敗や汚職、粛清に無縁で、禁欲的で無私な指導者であった。自らが個人崇拝の対象になる事を嫌っていた。自伝の類を残さず現存する霊廟等は、ベトナム労働党政治局がホーの遺言を無視して作ってしまった。その高潔な人柄から民衆から尊崇を集めて愛された。 本書の著者は1964年に南ベトナムの米軍に同行し、南ベトナムの独裁政権と介入する米国に抵抗していたベトコンを向こうにして米軍側からの視点で取材した。国際世論の米国批判が高まる前であった事、米国との同盟国の日本、「…堕落…傲慢、無知、侮蔑、恐怖、無神論…」が米国と南側の同盟国軍に存在、米国追従国家日本の特にメディアの姿勢等も影響にあった様な内容であるように感じる。南部の腐敗は伺えたが、米国帝国主義による北側への無差別爆撃等の虐殺、侵略行為については、本書からは全く解らない。ベトナム側の視点に立ち、その様な米軍の悪の「真実」が解る様な内容の方が私にとっては良かった様に思い、残念である。知識の余り無い人にとっては、視点を持つ側、或いは主人公の側が正義の様に勘違いされ、相手の敵が悪者と勘違いされかねない。
圧倒的な表現力
すごいです。文章に独特の力と個性があります。軟弱な文章ではありません。もう一度読み返しています。
開高健を読み漁ろうと思います。読み漁る。
ひとりで寝る事と、ふたりで寝る事。 小説とはどんなものなのか読者に突きつける。
入院中の父に頼まれて購入(こればっかりですが) 「面白い」と言うよりも「考えさせられる」本だったようです。