本書の1つ目の中心課題はケインズの『一般理論』出版直後の論争を通して取引動機に基づく貨幣需要を修正し、貨幣需要は支出前に起こり、貨幣が用意されなければならないとして、新たに金融動機に基づく貨幣需要の導入に関する論争である。2つ目の重要課題は経済成長ないし資本蓄積に貨幣を導入して利子・利潤がいかに決まるかの問題である。3つ目の課題として、M.カレツキの所得分配と経済変動のほか、R.F.ハロッドとE.ドーマーの差異をめぐる論争やN.カルドアのケインズ派成長理論に加えて、それらとは対称的で、安定的な新古典派2部門成長理論を、J.E.ミードの理論を中心に、数人の成長理論を比較検討した。
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