●発達障害のある子は園で支援が必要です。その子が困らないような保育の手だてで、困り感が軽減できるのです。本書はその手だての具体的方法を分かりやすく解説したものです。
●保育者がしていることは,基本的に間違っていません。なぜそこまで言いきるのかは後ほどお話しするとして,少なくとも,この本を手にしてくださる先生たちは,そうだと思います。とはいえ,そんな皆さんも,「このままでいいのだろうか」「もっといい方法はないのだろうか」と,日々の保育に不安を感じることがおありでしよう。もちろん,それにはお応えしないといけません。それで,この本を書きました。第1章では,子どもの「困り感」についておさらいしました。つづく第2章では,それに対応させた「支援の基本パターン」を七つ提案しました。これがつかめれば,必ずや保育に手ごたえを感じられるでしょう。反対に,実践がうまくいくと,この本に書かれていることがより理解できるようになります。日々の保育を続けながらときどきページをめくり,「なるほど,そういうことだったのか」と,あとから納得してもらえればいいのです。さらに第3章からは,園生活の場面ごとに,子どもとかかわるコツを紹介しています。これに保護者支援のQ&Aを補足し,実用書として役立つ内容にしました。全体を通して,見開きごとにテーマが設定してありますので,その都度,必要なところだけを読んでください。かわいらしいイラストも入れてもらいましたので。さて,概要はこうなのですが,ひとつだけお願いがあります。この本には,実際に効果のあった手だてだけが取り上げられています。にもかかわらず,それを使って,すぐさま子どもに変ることを求めないでほしいのです。子どもは,私たちの思うようになりません。変化を求めれば求めるほど子どもは苦しくなりますし,それ以上に,求めている私たちのほうが,もっと苦しくなるのです。子どもが成長するときというのは,自分から変っていきます。思いもよらぬ変化をするのが,子どもです。私たちは,いまのこの子にできそうなことを見つけ,どう援助したらそれが身につくのかを,毎日の実践の中で探っていくしかないのです。そうして,子どもが育つのを待ってあげましょう。保育に,特効薬などないのですから。大事に育てていけば,子どもは必ず動き出します。いえいえ,そんなふうに,保育者はこれまでもやってきたではありませんか。そういう意味で,保育者のしていることは間違っていないのです。どうか,自信と誇りをもって,この仕事をお続けください。本書に収録したのは,全国の保育者が丹精込めてつくった,選りすぐりの保育です。また,保護者の方からもご協力をいただき,貴重な財産を1冊にまとめることができました。(「まえがき」より抜粋)
●目次
まえがき
第1章 「困り感」 のある子ども
第2章 支援のモデルパターン
第3章 日々の保育の手だて
第4章 障害の重い子どもたちへの支援
第5章 保護者支援
第6章 子育てQ&A
1.就学をめぐって
2.毎日の生活を支える
3.発達障害に特有な問題への対応
レビュー(0件)