構造生命科学は,従来の高次構造解明に留まらず,分子〜オルガネラ〜細胞まで様々なスケールの現象を“観る”ことにより生命の本質に迫るための手段となっています.本書では,その最新技術と研究成果を紹介します.
第1章 近年の技術革新と解かれた構造
概論 近年の技術革新と解かれた構造
クライオ電顕によってとらえられたP4-ATPaseフリッパーゼの輸送サイクル
クライオ電子顕微鏡によるクロマチンダイナミクス研究
ミトコンドリアタンパク質搬入ゲートTOM複合体
クライオ電子線トモグラフィーの現状と将来
高速AFMの技術革新と注目の成果
X線結晶構造解析─技術革新
X線結晶構造解析─自然免疫受容体TLR7ファミリー活性化機構の新局面
X線結晶構造解析─生物のエネルギー代謝酵素の分子進化
1分子チップ
LC-MSを基盤とするRNAの構造解析システム
第2章 構造生命科学からトランススケール・イメージングによる細胞動態学へ
概論 in cell構造生命科学による細胞動態解明へ
I.トランススケールな解析が待たれる生命科学の未解決課題
柔らかい構造の可視化
タンパク質のマルチバレント相互作用が駆動する液ー液相分離
RNAを含む非膜構造体の内部微細構造観察と天然変性領域の役割
CRISPR-Cas9によるDNA切断の分子機構
初期分泌経路における新たなタンパク質品質管理機構
抗体フラグメントを用いたGPCR構造生命研究
さまざまな役割をもつヒトV-ATPaseの理解に向けて
細胞骨格が制御する細胞内の営みをトランススケールに理解する
クライオ電子顕微鏡による細胞生物学に必要なもの
細胞間コミュニケーションのトランススケールな理解
II.トランススケールな解析を実現するための技術的課題
“原子分解能” (オングストローム)をめざした光学イメージング
NMRと計算科学の融合によるin-cell構造生物学
分子・細胞・組織・器官をつなぐ多細胞ネットワークの研究戦略
第3章 構造生命科学の世界動向
概論 構造生命科学を支える大型研究施設の世界動向
日本における構造生命科学の動向
米国の構造生命科学
中国の構造生物学の躍進と基盤施設の現状
欧州大型研究施設における統合生物学研究
欧州における放射光施設と構造生物学データベースの動向
世界における構造生物学のソフトウェア開発の動向
第4章 活用可能なデータベースとプラットフォーム
クライオ電子顕微鏡を使いたいと思ったら
放射光・XFELでのタンパク質結晶構造解析のすすめ
高速AFMを使いたいと思ったら
生体高分子の構造データ検索と解析ならPDBj
対象タンパク質を理解するための有用なデータベース
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