「中華らしさ」を確立した時代の服飾と着用シーンが、鮮やかな図版で蘇る!
もし明朝の結婚パーティやお葬式に招かれたら、どんな格好で行けばよいでしょう?
本書では、中国の明朝(1368〜1644年)における性別・年齢・身分・季節による服飾の違いや、日常生活や冠婚葬祭など、具体的なシチュエーションに応じた装いを紹介。再現イラストと豊富な資料で、当時の人々の生活を身近に感じられる新機軸の図版資料集です。
貴重な装束の現存史料や模式図、当時の人々の姿を描いた絵画作品なども満載。龍や麒麟、草花などを織り表した鮮やかな文様、染色や刺繍、繊細な彫金など、技巧を凝らした服飾品の写真も見どころのひとつです。中国の季節行事や風習についても触れ、伝統や規則を重んじる当時の人々の様子を垣間見ることができます。
収録内容:
男女の夏の普段着(下着・布地・髪型・アクセサリー・履き物・僕童や庶民の服装)
冬の衣装(布地・雨具)
訪問時の礼装(補子・儒者や官僚の服装)
宴席での盛装(冠・吉服・庶民の盛装)
婚礼での盛装(結納品・髪飾り・庶民の婚礼服)
喪服(寿衣・弔問服)
元宵節
朝参に着る服装(民間の元日・宮廷の元日)
文人の道服
野外スポーツの服装
少年少女の髪型
ほか
レビュー(1件)
中華モノ創作では必読級の一冊
【総評】 中華ファンタジー好きとしてはこの系統の中国服飾史本を待っていた! 中華モノの創作なら必読級の一冊! 他の中国服飾史本は、いずれも「だれが(身分や官職など)」「どのような場合に」「何を着る」といったTPOや、夏・冬の素材の違いの視点は極めて薄く、非常に不満だった。 だが本書は、官位を買った富豪の地方官僚夫妻の「お呼ばれ服」、つまり他家への訪問、宴席、葬儀、季節の儀式、正月の宮中儀式の服装(アクセサリーを含む)を、カラー図版を多用し、どのような衣裳があり、どのようなマナーで着用したかを詳述してある。さらには、これらの社交上儀礼、儀式のしきたりのフローチャートまである。 また、他の中国服飾史本では扱いが薄い、夏服・冬服の違い、普段着や下着、下着姿からの「着衣順序図」もある。そして一応、皇后の肖像画、宦官・錦衣衛(近衛部隊)の服装解説も簡単だがある。 明代地方官僚と、その妻の生活を衣裳から詳しく知ることができる極めて貴重な一冊。また、男性文人のファッションや考え方にも1章割いてある。 【残念な点】 ・本書は「地方官僚夫妻」を主としているので、以下の人々の服装を調べるのには向かない。記述がないか、あってもごく簡単なものにとどまっている。「明代の地方官僚夫妻」に絞っていたので、「一般庶民編」「宮中編」「芸能編」も出してほしい。また、本書の著者陸氏の他の中国服飾史本も邦訳できぬか? 妓女、踊り子、役者など芸能関係。 日雇い労働者、職人、屋台や行商などの小商人、飲食店関係、農民などの一般庶民(「庶民の商人の妻」の衣裳は詳しく書いてあったが、主人公家出入りの相当裕福な商人。本書の「庶民」は、「官位を持たない者、文人でない者」程度であり、「経済的非富裕層」ではない)。 皇帝(皇后や高官夫人の肖像画は数多いが、皇帝について解説したページが見当たらなかった)、皇族、後宮の妃、侍女、下女。 将軍や兵士の詳細な軍装(錦衣衛の服装は儀仗部隊や犯罪捜査の私服刑事の面が強い)、武術家。 僧侶・道士などの宗教関係。 モンゴル、チベット、ウイグル、ミャオなどの中国の少数民族。 ・衣裳の名称が分からないストレスはなかったが、線画付で衣裳の名称や官位に応じて着用する色やアクセサリーを「用語集」としてまとめてほしかった。また、より詳細な事項索引があればありがたかった。