漱石はなぜ新しいのか、3つの絵の話、晩年の心境、など漱石の豊かな森に分け入り、江藤淳の漱石研究の驚くべき盲点、荒正人編「漱石文学全集」の不思議、ほか貴重な発見、卓見を織り交ぜつつ、散策の愉しみを尽くす。
第一章 漱石はなぜあたらしいのか
はじめに
漢籍と合理主義
四つの講演
「昔の型」
しなやかさの根本
恋愛の見方
中味にふさわしい形式
第二章『漾虚集』のこと
お気に入りのフレーズ
シェイクスピアと『方丈記』
「漾虚」の意味
本文の確定
「二つの初版」の謎
第三章 烈士喜剣の碑
江戸時代の書物
『鶉籠』という書名
鶴梁の碑文と幻の碑
「間隔論」をめぐって
『峡中紀行』抜き書き
「皆川流」の虚実
第四章 三つの絵
(一)ホルマン・ハント作「イザベラとメボウキの鉢」
『文学論』の成立まで
形式論の講義
「文学的内容の形式」
メボウキへの「転置」
週末の古書市にて
(二)ジョシュア・レノルズ作「悲劇のミューズに扮したシドンズ夫人」
十八世紀イギリスの肖像画
「fに伴ふ幻惑」をめぐって
「ダリッチ美術館展」のカタログ
(三)ターナー作「ポリュフェモスを愚弄するユリシーズ」
留学中の読書
レッシング『ラオコーン』への書き込み
クライマックスをめぐって
絵画と文芸
美と醜の描き方
読書の影響
第五章 晩年のこと
遺愛の書画
良寛探求
結城素明との交流
漢詩の制作
閑適への思い
素人と玄人のあいだ
「文学者夏目漱石」として
あとがき
人名索引
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