謎の反転は司令部の芝居によるものだった。太平洋戦争の敗色が濃くなりつつあった昭和19年10月、日本海軍は戦艦「大和」「武蔵」を中心とした全戦力をもってフィリピンに上陸する米軍を叩く作戦を敢行する。しかし、戦艦「大和」を主力とする艦隊は、米軍大部隊を目前に“謎の反転”を行う。元・戦艦「大和」副砲長・深井俊之助氏(元海軍少佐)による渾身のノンフィクション。司令長官・栗田健男中将はもちろん、かつて誰も語らなかった、太平洋戦争“最大の謎”の真相を、まさにその場にいた深井氏がついに語る。そこには現代の官僚や政治家の不祥事にも通底する、官僚機構でもあった日本海軍に蔓延していた問題点があった。
レビュー(2件)
歴史の真実
連合艦隊最後と言われたレイテ突入作戦、謎の反転について、70年の時を経てやっと光があたったと。私は、長い間、栗田長官の反転は、どんな本を読んでも腑に落ちませんでした。反転そのものが腑に落ちないのでなく、その時の大和艦橋内の、人々の葛藤や言動、その後の関係者の証言の描写など、どこかリアリティーを感じるものがありませんでした。本書はその場にいた当事者の著作。その真実の迫力を感じることができると思います。