日本画家の千住博氏が日本文化の特徴や芸術作品に込められた意味などを説き明かしたシンポジウム記録を巻頭に収録。浮世絵や西洋絵画、自らの作品を元に、日本文化の「今ここ」の日常を描く発想が西洋文化に与えた影響など「時間の流れ」というテーマを軸に語られた講演は圧巻。河合俊雄氏による講演録では、ユング派心理療法のこれまでを振り返り、どのような方向性を目指すべきかを追究。これからの心理療法を考える指針を示す。
目 次
はじめに
シンポジウム
●基調講演「日本文化におけるイメージの力」 千住 博
日本文化とは何か
日本文化と四季/クールジャパン・クラシックジャパン/宇宙誕生、ヒトの誕生、「人間」
の誕生/芸術の誕生/「和」の文化/「今ここ」を大切にする発想
日常を描く浮世絵
歌川広重の浮世絵で描かれたもの/葛飾北斎の浮世絵に通底するもの
西洋絵画が描いているもの
浮世絵が印象派に与えた影響/印象派と「現在主義」/ゴッホと浮世絵/『フォリー・ベル
ジェール劇場のバー』/マネが絵で描き出したもの/黒田清輝と印象派/絵画の新しい流れを生
み出すもの/ルネッサンスの作品で描かれた人間性
千住博が描いてきたもの
時を描く試み/滝を描く/生きているという感動に震える体験/傷を直視する/現代作家に求められるもの/作品に対するさまざまな試み
●討論ーー基調講演を受けて 指定討論者 川戸 圓・角野善宏
ユング心理学の視点から
時間と偶然の意味/絵の秘める可能性
日本文化が表現してきたもの
宇宙的なイメージをもつ日本画/河合隼雄と『源氏物語』/『源氏物語』の女性たち/『源
氏物語』のもつ新しさ、普遍性
芸術家としての意識
「美」とは生きる喜び/相反するものを調和させる/答えのない問いかけを続ける/作品を
手放すとき/芸術家にとって大切なこと/一度目の失敗を乗り越え、次に活かす
講演録
●ユング派心理療法の新しい可能性 河合俊雄
論 文
研究論文
●「針を抜く夢」についての考察ーー共同体からの離脱と「個」の成立 前川美行
●宮沢賢治三作品の心理学的理解の試みーー転回に着目して 奥田智香子
印象記
●A Joint Jung/Lacan Conference 印象記 吉川眞理
●第2回The International Society for Psychology as the Discipline of Interiority大会
印象記 林 公輔
文献案内
●心理療法実践に関するユング心理学の基礎文献 北口雄一
●海外文献 岸本寛史
『ユング心理学研究』投稿規定(2012年9月改定)
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