女性は生涯を通してどのように「発達」し,アイデンティティを形成し,自己実現を果たすのか? アメリカのフェミニズム/ジェンダー史をひもときながら,発達論や女性の生き方に鋭く切り込んでいく一冊です。登場する主人公の一人,ゲイル・シーヒーは1970年代に活躍したジャーナリストで,「中年の危機」という言葉を一般に広めた人物として知られています。
シーヒーを始めとするフェミニストたちの活躍,また,その過程で学術界や男性の学者たちはどう反応し,どのようにジェンダーの概念が進化していったのか,エリクソンをはじめ男性だけを対象としてきた発達理論を180度転回させた偉業にも迫りながら,その生き方,名言,行動を通して,女性が輝くためのヒントを見つけていける一冊です。
第1章 はじめに
第2章 男性の老化と女性の老化は違うのか
1 男性の転換期,女性の転換期
2 更年期用語の誕生
3 中年期は「人生の最盛期」
4 女性の新たな可能性
5 女性よ,大志を抱け
第3章 フェミニズムの視点から「中年の危機」を見る
1 女性の記者が活躍した1970年代のニューヨーク
2 科学とジャーナリズムが出合うとき
3 男性中心主義の心理学と精神分析学との闘い
4 発達段階理論の功罪
5 フェミニスト vs. エリクソン
6 ピラミッド型社会とダイヤモンド型社会
7 「男性は洗濯をしなさい」
第4章 1976年の夏に最も売れた本
1 盗作疑惑が物語る女性差別
2 読者と同じ目線に立つことの大切さ
3 フェミニズムが脚光を浴びた1970年代
4 『パッセージ』旋風とその影響
5 科学とポップ・サイエンス
6 フェミニズムとナルシシズム
第5章 心理学から見た「男らしさ」の危機
1 プレイボーイの精神を分析する
2 「第二の青年期」の不都合な真実
3 男性心理学者たちのたくらみ
4 『パッセージ』の原典
5 「中年の危機」は女性は立入禁止なのか
6 大衆化の裏にあるもの
第6章 フェミニスト,反撃を開始する
1 妊娠中絶の選択と道徳的ジレンマ
2 「もうひとつの声」とは誰の声?
3 行き詰まる個人主義
4 スーパーウーマンにも生活がある
5 変わる女性,変われない男性
6 男性優位論者の抵抗と新たな中年期研究の始まり
7 フェミニズムが遺したもの
第7章 「中年の危機」とは何か
謝辞
出典
引用文献・参考文献
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