俳優クロフトンが集めた小さな書物たち
1932年の冬、ロンドン大学に500冊の《リトル・ブック》が寄贈された。小型本を寄贈したのはセシル・F・クロフトン、ヴィクトリア朝時代の舞台に立ち、アンティークショップの店主でもあったーー
英国の演劇史に名を残すこともなかった《或る俳優》がスクラップブックに切り貼りした新聞、絵葉書、手紙、写真など多様な断片から知られざる人生を復元し、製本史からそのコレクションに光をあてる。
《数年前のことになるが、なにかの縁があって筆者はクロフトンの蔵書票のついた本を譲り受けた。400年前に出版されたイタリア史の英訳本である。(…)表紙を開くと、マーブル紙の見返しには「誰も死ぬまで幸福ではない」という蔵書票が貼られている。(…)書棚のある部屋はいったいどこで、椅子に座って本を読んでいる人物は誰なのか。筆者はこの大型本を頼りに渡英し、旧所蔵者の情報を探しはじめた。》(本書より)
プロローグ
第1章 小さな書棚
リトル・ブック/リトル・クロフトンのおいたち/もうひとりのアノニマス/スクラップブック
書棚1--赤色のカタログ
書棚2--もうひとつの蔵書票
書棚3--幻のスクラップブック
第2章 少年フレデリックの読書
フォレスト・スクール・マガジン/俳優マクレディ/タヴィの歌/セシル・クロフトンの後悔
書棚4--リトル・ブックの舞踏会
書棚5--クロス装幀
書棚6--背表紙
第3章 俳優クロフトンと戯曲
シルバー・キング/シェイクスピア/ネル・グウィン/沼の家/ミスチーフ
書棚7--金箔押し
書棚8--色染め
書棚9--マーブル染め
第4章 クロフトンの文筆
ジム・ザ・ペンマン/幸福な二人組/ベンクーレンからカプリコルノ号まで/エリックの天使/ディックの相続人
書棚10--本を綴じること1
書棚Ⅺーー本を綴じること2
書棚Ⅻーー小口金箔
第5章 クロフトンのマネジメント
セシル・フレデリックの代役/クロフトン・カンパニー/アンティーク・ショップ/宝石商のトリック/喪とアンティークの寄贈
書棚XIII--金に代わる豆
書棚XIV--消えた綴じひも
書棚XV--エトルリア風の壺
エピローグ
注
図版出典
リトル・ブック一覧
スクラップブック一覧
あとがき
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