辺境の海(=東シナ海)を駆け巡った無告の「海人(かいじん)」たちへの挽歌。甦る海人の系譜(白水郎(あま)-海夫(かいふ)-家船(えぶね))と環東シナ海交易圏(博多〜琉球列島〜中国・寧波〜朝鮮半島)。
年間のほとんどを船の上で暮らした家船(長崎県西海市を拠点とした海人)と対馬の海女たちからの聞き書きをもとに、海に生きた人々の漁法、交易の方法、暮らしぶりから安徳天皇伝説・船霊信仰等民俗学的考察まで、海からの視点でまとめられた海洋文化論。環東シナ海をめぐる交易の多様さが浮かびあがる。
【目次より】
第一部 西彼杵半島・瀬戸の家船
1 最後の家船系漁師たち
九州家船の本拠地へ/「カズラ網」とは何か/「キノコ雲」から「流れ船」まで
/漂泊民と定着民のはざま
2 西海海人の系譜をたどる
カエキー交換する世界/「白水郎」「土蜘蛛」とは何者か/宣教師たちの見た家船
3 石鍋と南島をつなぐもの
南島史を揺るがす喜界島/琉球社会の劇的転換
第二部 対馬・曲の海女
1 海女ー海底労働の世界
海女仲間への道のり/その名も「ドンブリ海女」
2 漂泊・移動の日々
海の民と里の民の交流/ハル・べーべーの一年
3 歴史と伝承の曲海女
島社会と海女部落/安徳天皇伝説を抱く民
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