季刊・経済理論 第55巻第4号 貨幣的経済学の展開
資本主義ではあらゆる経済主体が貨幣を起点に行動する。貨幣が資本主義のダイナミクスを生み出すのである。このような資本主義の動態を把握するために、政治経済学は貨幣論を組み込んだ独自の理論体系を構築している。いわば貨幣的経済学という特徴を有するのである。この点が古典派以来の実物的な経済学からの決定的な跳躍点である。
本特集は、貨幣的経済学の原理的研究を、商品貨幣論と表券貨幣論のそれぞれの立場から示し、貨幣に着目して資本主義を分析することでどのような示唆が得られるのか、またそもそもなぜ貨幣的アプローチが必要なのかを明らかにする。
特集にあたって 結城剛志(埼玉大学)
商品貨幣論の現代的展開 泉 正樹(東北学院大学)
貨幣の名目性:表券主義の貨幣理論 内藤敦之(大月短期大学)
「金融化」の現代的諸問題とマルクス経済学 吉村信之(信州大学)
金融化の原理的考察のために:貨幣的経済学の批判的検討 清水真志(専修大学)
産業循環から見た2008年恐慌と長期停滞 平野 健(中央大学)
価値形態論の再考:価値形態の移行過程を中心に 海 大汎(北海道大学大学院)
ほか
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