人間に賭けるな
: 前田満州夫/渡辺美佐子/川地民夫/藤村有弘/二本柳寛/結城美栄子/寺内大吉/伊部晴美/前田満州夫
賭けろ!とことんまで賭けろ!すべてを捨て、飽くなき執念に生きる女の一生を鋭くえぐる異色の問題作!
幻の名匠・前田満州夫の復刻第2弾。女の情熱、女の青春、すべてを投げ打って“賭け”に執着する一人の女と
その情熱に魅せられ溺れていく男の姿を描いた異色の問題作が遂に初ソフト化!
このソフト化そのものが“賭け”ともいえるギャンブル映画の大穴!
■「ケイリン、ケイリンって何ですか?」「自転車競争ですよ。日本では自転車に乗るプロ選手に金を賭けるのです」…競輪を通じて日本人の本質をえぐる狂気のメロドラマ。
自分の体を張ることで、一人の人間を本当に変えることができるかどうか─すべてを投げ打って一人の男に打ち込んだ女の執念の姿を幻の名匠前田満州夫がシャープなタッチで描き上げる異色の問題作。
■主演は『果しなき欲望』(58)、『人間狩り』(62)、『競輪上人行状記』(63)とワケあり女を演じさせたら絶品の名女優渡辺美佐子、賭けに執着した人間の美しさと女の悲哀を見事に浮かび上がらせる。
渡辺が演じるのは“姐さん”と呼ばれる組長のオンナ。「言っとくけどね、あたし、あんたに賭けてるのよ!」
─競輪場に通いつめ、刑務所に入っているダンナに内緒で若き選手・新田(川地民夫)にのめり込んでゆく。
インチキ外国語でおなじみコメディアンの藤村有弘がギャンブル狂の会社員を笑い抜きでシリアスに演じ、渡辺美佐子とともに汗だくの狂騒を繰り広げる。
女たちを射抜く川地民夫のヤンチャな魅力も見どころの一つ。
■底なしのニッポン競輪ヌーヴェルヴァーグ、日活ギャンブル映画の代表作『競輪上人行状記』の原作を手がけた直木賞作家・寺内大吉の同名小説を松竹ヌーヴェルヴァーグの森川英太朗と田村孟がシナリオ化、しびれるセリフ満載の異形ドラマに野心みなぎるアヴァンギャルドな前田満州夫演出が応える。
躍動感あふれるハンディカメラに驚異の移動ショット、撮影は『狂熱の季節』(60)ほか蔵原惟繕とのコンビで名を馳せた間宮義雄によるもの。さらには伊部晴美の音楽がギャンブルの恍惚を引き立てる。
■今日もまた打鐘(ジャン)が響く! 車券が舞い、怒号が飛び交う!
欲望と破滅に満ちたピカレスク……まくり、まくられ、止まりたくても止まれない男の女のギャンブル沼へようこそ。
金網越しにレースを見つめる渡辺美佐子の競輪地獄おんな道!大宮競輪場、名古屋競輪場、西宮競輪場と当時の競輪場でのロケーションも貴重だ。
バイタリティたっぷり堕ちてゆく男女の行く末を見逃すな!
■【ロケ地】
埼玉県:さいたま市(大宮競輪場)/東京都:豊島区(池袋)・新宿区(紀伊國屋書店)/兵庫県:西宮市(西宮競輪場)/愛知県:名古屋市(名古屋競輪場)
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レビュー(1件)
こんな地味な作品を良く出してくれた
渡辺美佐子と藤村有弘が主演と言う珍しい作品。当時の日活スター、浅丘ルリ子や石原裕次郎・小林旭等は全く顔を見せず、地味なキャスティングだが、時々日活は前記のスター映画の合間に、こういう重厚とまではいかないが人間ドラマを作っていた。 藤村有弘といえば、自分の世代には「ひょっこりひょうたん島」のドン・ガバチョ(の声)である。昭和30~40年代はテレビ・映画に引っ張りだこの売れっ子で、多芸多才の人だった。今のタモリの先達的な芸能人と言えば良いか。しかし、昭和57年、49歳と言う若さで亡くなってしまったのは、芸能史的には残念だった。 監督の前田満州夫は映画はわずか4作しか撮らず、その後はテレビに行ってしまったが、特にこの作品の脚本は後に大島渚監督と組んで「白昼の通り魔」、「絞死刑」、「少年」、「儀式」と日本映画史に残る問題作を連発した田村孟だけに、この後も二人が組めば相当な作品を期待できただけにこれも残念なことだった。