妻子を殺された復讐のため、瀕死の重傷の中、己の死を回避する代償として悪魔・ベルと契約した刑事・一之瀬朱理。
「担当する事件の被疑者は必ず死亡する」と周囲から不審を抱かれながらも、ベルに犯罪者たちの魂を捧げて生命をながらえ、朱理は執念の捜査で真犯人を探しだした。
人知を超えた存在【黒い悪魔】に復讐を果たすべく、朱理はある決断を下す。ベルすらも欺きながら、朱理はその目的に近づいていくがーー。
宿命づけられた人間と悪魔、ダークサスペンス完結編!!
【登場人物】
◆一之瀬朱理
担当する事件の被疑者は必ず死ぬ、と噂される孤高の刑事。妻子を殺された過去を持つ。
◆ベル
悪魔を自称する、見目麗しい謎の青年。欲望に忠実で奔放な性格。なぜか時代劇が好き。
序章
第一章 白馬の王子様
第二章 おとうさんとおかあさん
第三章 許されざる幸せ
最終章
レビュー(2件)
実写ドラマ化したら面白いサスペンス!
ある男性アイドルが好きな作家だと公言してから注目を集めるようになった作家らしい。 前作『純黒の執行者』から短編連作の構成で、確かに連続ドラマなどの実写化にしやすい作品だと思う。 最初は色眼鏡で手に取ったが、数ページ読んだだけで一気に引き込まれた。 さらりと読みやすいのに人物描写と心理描写がとてもうまい。 ちょっと読むだけのつもりが最後まで読んでしまった。 テーマも「家族」と全編通してはっきりとしていて、構成力の高さがうかがえた。 第3章も主人公ふたりを俯瞰で描くことにより、クライムとしての面白さも際立っている。 1巻ではなれ合うことがなかった主人公のふたりが、カレーライスを一緒に食べるシーンは泣ける。 「なにを食べるかより、誰と食べるか」の台詞は心に残る。 繊細な人間ドラマが描かれていて、サスペンスとしてはかなり珍しいのではないだろうか。 ラストは明確にどうなったのか書かれてはいなかったが、個人的には読者の想像に任せる情緒を残した良い締め方だったように思う。 丁寧な仕事をする作家の作品だった。 あとがきからも多方面に配慮し、表現に気を付けて書いたらしい真面目な人柄がうかがえる。 次の作品が今から楽しみだが、願わくば、実写ドラマ化して、彼が主演で見てみたいものだ。 正直言って期待以上のシリーズなので売れてほしい。