プライベート・レーベルでの句集の刊行、SNSでの発句の驚異的な質と量……どこの結社にも属さず、ひとり俳句について思いを巡らす著者が、正岡子規をはじめ17人の俳人について語った初めての俳句論集。既成の文学史的解釈から俳人たちを解き放ち、句を深く読み込むことで、迷いも諦念もある生身の人間として自らの心中に棲まわせながら、巧みで丹精な文章によってその本質に迫る、新しい世代による、鮮度に満ちた目も醒めるような俳句論! 田畑書店刊「アンソロジスト」創刊号からの連載を原形に、大幅な加筆修正を加えた。
子規小見(正岡子規)
時間(石井露月)
歩く目(河東碧梧桐)
闇(松根東洋城)
いつものことば(岡野知十)
新世界(内藤鳴雪)
日記の奥(五百木飄亭)
才気のゆくえ(大須賀乙字)
音(岡本癖三醉)
装束(尾崎紅葉)
諦念(佐藤紅緑)
千鳥足(中塚一碧樓)
びっくり箱(荻原井泉水)
孤塁(喜谷六花)
時代(日野草城)
影(高濱虛子)
平熱(小杉余子)
あとがき
主要参考文献
レビュー(1件)
俳句の味わいかたに気付きを得ます
田畑書店発行《アンソロジスト》で筆者の文章を初めて読んでからの愛読者です キレのいい、少々硬めですが小気味よい文体で、冒頭から舌鋒鋭く正岡子規を俎上で切り刻みます ですが、筆者の云う視座というワードで語るなら、筆者の視座は常に俳人のそばにあり、俳句への愛を感じます これが若手の文章とは思えないほどの深い洞察と視点を持ち、帯のキャッチにあるような新進気鋭という言葉が相応しいと思いました 一隅を照らすように取り上げられる俳人たちへのリスペクトはもとより、その足跡を丁寧にたどり、紡ぐように書かれる言葉の数々は俳句という短詩形への興味を誘います ともすれば閉塞がちになりそうな旧くからの日本文学の天窓をひらく会心作だと思います 若い世代の文学好きの彼女等彼等、一度手に取ってみませんか、きっと俳句ってこう読むと面白いんだ、と気付きますよ