美少女から人妻、熟女、女教師、くノ一に尼僧。少年ものに性豪もの。凌辱系から癒し系までー官能小説の世界は、欲深い読者たちの嗜好に応じて多種多様なジャンルの作品が淫らに咲きほこっている。人びとの想像力を喚起し股間を刺激するために…。こうした百花繚乱の表現世界は、いかにして形成され成熟したのか。本書では、戦後の官能小説史を丹念にたどり、一時代を築いた優れた作家たちの名作と、彼らが骨身を削って生み出した表現技法を紹介しながら、この秘密に迫る。

kuruimono4971

そういう文学の歴史がまとめられていて、わかり易い。川上宗薫氏が、北原武夫氏の弟子だったとは 初めて知った。私も、昔ジャンルは違うバイオレンス物だが、コスモス文学新人賞・佳作を昔受賞した。 しかし、最近AVでも続いている・借金SMパターンではなく、純粋に性愛で結ばれる男女において 「V字テクニック」を描いたのは、川上氏だけだと思う。私はI字テクニックだが(笑)。 前回の主著者館淳一氏も、SMからの転向派だ。いろいろな意味で興味深い書籍。