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ーはたして浄土の観念は死んだのかー
時代と社会が大きく変わり、いま浄土仏教が基礎とする「浄土の観念」は多くの人にとって実感を得られない空疎な観念となりつつある。親鷲の思想を理解するうえでも重要となる「浄土」は、はたして現代では意味をもたない「無用の長物」となってしまったのだろうか。そうした問題意識を受けて、本書では改めて人間の生の根本に立ち返り、親鸞と共に思索しながら「浄土とは何か」を問い、その現代的意義を探る。自己と仏教の根源に迫る12篇の論文を収めた、示唆に富む論考集。
[目次]
序
1 浄土のイマージュ
空のイマージュ化と無限の因果ーー浄土の荘厳をめぐってーー
報土としての浄土ーー冥福と幸福ーー
無量寿としてのいのちと信
宗教的生と「証」の世界
2 自己への問いと真宗
「自己とは何ぞや」という問いと真宗ーー自身を深信することーー
場所的論理と浄土真宗
曾我の思索と「分水嶺の本願」
信と自己同一の問題ーーバールト教授の疑問にたいしてーー
3 無限の表現と回向の問題
宗教哲学と自己への問い
清沢の無限の因果における回向論
『教行信証』と「回向」の問題
親鸞の還相回向の思想
初出一覧
参考文献
あとがき
[担当からのコメント]
日常の中に仏教があった昔と異なり、現代の私たちは地獄や極楽、浄土、穢土といった言葉を宗教的なイメージとして捉えることができなくなっているのではないかと思います。イメージされずに拡散してしまうそうした言葉をもう一度取り戻すという点でも、本書は大変学びの多い内容となっています。ぜひご一読ください。
[著者略歴]
長谷正當(はせ しょうとう)
1937年富山県に生まれる。1965年京都大学大学院文学研究科博土課程修了(宗教学専攻)。文学博士。京都大学名誉教授。
主な著書に『欲望の哲学ーー浄土教世界の思索』『心に映る無限ーー空のイマージュ化』(法藏館)、『象徴と想像力』(創文社)、『思想史の巨人たち』(共著、北樹出版)、『現代宗教思想を学ぶ人のために』(共編、世界思想社)、『宗教の根源性と現代』(共編、晃洋書房)ほか。
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