臨終や葬儀、鎮魂など儀礼の展開は、各時代、各地域において多様な様相をみせ、それらはアジア全体で共通する要素も多い。
儒教・仏教・道教は、盛んに死の意味づけ、儀式内容の意義を説き、社会のなかに儀礼を定着させ、祭祀の対象としての絵画・仏像などの造形物、往生伝のような説話も広まっていった。
人々は「死」をどうとらえ、どのような文化を創り出したのか。
アジアにおける死と鎮魂についての文化を歴史学・思想史の立場から考察する。
序文 原田正俊
1臨終・死の儀礼と遺体
道教の死体観 三浦國雄
日本古代中世の死の作法と東アジア 原田正俊
契丹人貴族階層における追薦 藤原崇人
佐藤一斎『哀敬編』についてー日本陽明学者の新たな儒教葬祭書 吾妻重二
北京におけるパンチェン・ラマ六世の客死と葬送 池尻陽子
2鎮魂・追善と社会
慰霊としての「鎮」の創出ー「鎮護国家」思想形成過程の一齣として 佐藤文子
神泉苑御霊会と聖体護持 西本昌弘
南北朝期における幕府の鎮魂仏事と五山禅林ー文和三年の水陸会を中心に 康昊
烈女・レイ鬼・御霊ー東アジアにおける自殺者・横死者の慰霊と祭祀 井上智勝
照月寿光信女と近世七条仏師 長谷洋一
華人の亡魂救済についてーシンガポールの中元行事を中心に 二階堂善弘
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