高成長期中国の経済・産業構造の再検証
改革開放以降,社会主義市場経済へと舵を切った中国は,WTO加盟を果たし,「世界の工場」さらに「世界の市場」へと昇り詰めていく。しかし,その深層における成長要因は何だったのか? 本書は,この問いに答えるべく,精緻な実証分析により労働・資本・生産性それぞれの経済成長への貢献を明らかにする。
不透明さを増す中国経済の今後を見通すべく,その基底と構造を解明する一冊。
第1章なぜ全要素生産性なのか
1 全要素生産性とは何か
2 「中所得の罠」とイノベーション
3 中国の経済成長とTFP
4 本書の研究方法とデータソース
第2章 労働投入の推計
1 労働投入量の推計
2 出稼ぎ農民工の労働投入
3 労働サービスの推計
4 労働投入の質的変化の分解
第3章 資本投入の推計
1 資本ストックについて
2 データの作成
3 資本ストックの推計結果
4 資本サービス推計の方法論
5 資本投入の推計結果
第4章 全要素生産性の推計
1 中国の全要素生産性に関する初期の研究
2 産業別TFP成長率の推計方法と付加価値データ
3 TFP成長率の推計結果
4 労働生産性上昇の構造的要因
第5章 不完全競争と全要素生産性ーー産業別マークアップ率の推計
1 コストシェアとレベニューシェア
2 マークアップ率測定のアプローチ
3 中国産業別マークアップ率の測定
第6章 環境保全と全要素生産性ーー鉄鋼業GTFPの推計
1 中国鉄鋼業発展の歴史的回顧
2 グリーンTFP試算の方法論
3 汚染物質の排出削減を考慮したTFP測定
終 章 質的に充実した経済発展へ
1 経済成長のエンジンはどこにあったのか
2 投資依存体質からの脱却
3 非国有部門の賃金引き上げが課題に
4 経済改革が技術革新を生む
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