自由を宣揚しつつも、お互いの差異を認め合いながら、人間としての経済的・社会的・文化的平等(実質的平等)を実現できるような社会、そして友愛に基づく社会をどう実現するかが、生涯学習に強く求められている。これらの問題に関する生涯学習の研究と実践の体系化は殆どなされていない。このように考えると、私たちが望む生涯学習社会の実現は、自由・平等・友愛という市民社会成立期の理念ー人権を成熟期の現代において再審し、彫琢し、そして実質化することでなければならない。また、この課題(アポリア)が実現したときにこそ、市民社会は真に成熟したといえるのである。本書は、以上のような課題意識と現代の人権の視座からの生涯学習および生涯学習社会を批判的に捉え、検討を加え、真の生涯学習社会の創造のために理論的根拠と実践の方向性を提供することを志向している。
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