説話とは何か?
まったくの創作でもなく古記録でもない、このつかみどころのない作品たちはなぜ生まれ、いかに編纂され、そして伝えられたのか。
日本史学や日本文学、宗教学、文化史学の研究者が一堂に集い、「説話」という文学ジャンルを解明すべく企図された、国際日本文化研究センター共同研究の成果。
説話文学と歴史史料の間を往還しつつ、説話研究に新たな地平を拓く。
第一部 説話と歴史史料
歴史叙述としての説話(小峯和明)
文学の側から読んだ公家日記ー『明月記』の月ー(池上洵一)
『弘安源氏論義』をめぐる故実と物語(前田雅之)
京洛の境界線ー文学・古記録における平安京の内外認識ー(龔婷)
高麗文宗が求めた医師(榎本渉)
第二部 説話の生成
「コノ話ハ蓋シ小右記ニ出シナラン」考ー『小右記』と説話との間にー(倉本一宏)
古今著聞集と文体ー漢字文の混入と諸相ー(野本東生)
紅梅殿の壷と編纂ー説話集を中心としてー(藤本孝一)
源隆国の才と説話集作者の資質をめぐる検証ー研究史再考をかねてー(荒木浩)
『宇治拾遺物語』の吉野地震伝承ー大己貴命にさかのぼるー(保立道久)
“和歌説話”覚書(中村康夫)
足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程(呉座勇一)
新しい世界の神話ー中世の始まりー(古橋信孝)
特集 説話の国際性
日本とベトナムの十二支の違い(グエン・ヴー・クイン・ニュー)
丁部領王の説話とベトナムのホアルー祭 (ゴ・フォン・ラン)
『三国遺事』と『日本霊異記』の観音説話について(宋浣範)
ベトナムの『禅苑集英』における夢について(グエン・ティ・オワイン)
占城王妃の叙述をめぐって(佐野愛子)
-『越甸幽霊集録』および『大越史記全書』からー
第三部 内在する歴史意識
称徳天皇と道鏡ー『古事談』巻一巻頭話考ー(蔦尾和宏)
『長谷寺験記』編纂と下巻三十話の役割(内田澪子)
『拾遺往生伝』の歴史意識と文学意識(川上知里)
中世における説話集編者の歴史認識ー『古事談』と『古今著聞集』-(松薗斉)
「宝剣説話」を耕すー公武合体論の深層ー(関幸彦)
戦国期の説話集『塵塚物語』(五味文彦)
歴史文学と多重所属者(樋口大祐)
-慈光寺本『承久記』における三浦胤義についてー
変貌する新田氏表象(谷口雄太)
-「足利庶流」(足利一門)と「源家嫡流」(非足利一門)の間にー
第四部 説話の変容
日記と説話文学ー円融院大井川御幸の場合ー(伊東玉美)
武内宿禰伝承の展開ー武内宿禰神格化の様相を中心にー(追塩千尋)
『発心集』蓮華城入水説話をめぐって(木下華子)
ヤマトタケル研究の新しい可能性(井上章一)
-同性愛と性別越境の比較をめぐってー
『夷堅志』のシラミと『古今著聞集』のシラミ(渡辺精一)
新しく作られる歴史と神話(魯成煥)
研究会の記録
説話・史料名索引
執筆者紹介
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