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鬼才が描く珠玉の短編。“オール”新作!! 晴れた冬の夜にしか聞くことのできない「オリオンラジオ」---- 誰が発信しているのか、どこから流れてくるのか。 真相を知る者は、誰もいない。 そして、その不思議なラジオを聴いた者は皆、自然と不思議に誘われーーーー 鬼才・諸星大二郎が描く、全てコミックス初収録の奇怪譚のオムニバス。 空に星が瞬く夜、あなたはきっと、まだ見ぬ不思議に遭遇する。 【編集担当からのおすすめ情報】 第47回日本漫画家協会賞 コミック部門大賞受賞作!! 『ビッグコミック増刊号』にて好評連載中の「諸星大二郎劇場」で掲載された傑作読み切りからなる短編集です!! その“全て”がコミックス初収録作品・・・・・・必携必読です!! 【収録作品】 オリオンラジオの夜 第1話 サウンド・オブ・サイレンス 第2話 ホテル・カリフォルニア 第3話 悲しき天使 第4話 西暦2525年 第5話 赤い橋 第6話 朝日のあたる家 原子怪獣とぼく ドロシーの靴 または虹の彼方のぼく 全8編
レビュー(14件)
好きな作家の作品であり、手に入れられて良かった。
諸星大二郎にしか描けない世界を!
オリオンラジオシリーズは前評判が良かったので楽しみにしてました。たしかに前半の話は諸星作品の良さがあり面白かった。特に4話の「西暦2525年」は衝撃的で作品に引き込まれました。 問題は解題でもあるように行き詰まったという5話「赤い橋」、6話「朝日のあたる家」。6話に関しては途中でオチが読めてしまい導入部分が良かっただけに興醒めしてしまった。6話はその程度なので、そこまで問題視はしません。 大きな問題は5話の「赤い橋」。意識してはないとは思う(思いたい)が山岸凉子の「読者からのゆうれい談"第3話 わたしは一度死にました"(1983年)」、「夜の馬(1998年)」の二作品と似通った内容(イメージ)でした。作品のキーワード(あの世の入り口、橋、女の子、軍服を着た男、鬼、祖父もしくは祖母)に共通点があります。ありがちな話といえばありがちですが、ここまでキーワードが被るのは正直問題あり。他にも題材が似た作品を読んだことがありますがそれらについては単なる類似作品としか思えません。例えば(すぐ思い出せるのが)今市子「百鬼夜行抄」や「地獄先生ぬ〜べ〜」などにもあの世の入口の話がありましたが題材が同じというだけで全く違うお話です。これらの作品についても山岸凉子の「夜の馬」も、発想が近いものはあまりないと思います(読者からのゆうれい談は、まあ……コンセプト的に発想もよくあるものとなってますが)。初読の作品なのに既視感があり、4話の衝撃が違う衝撃に置き換えられました。読了感も山岸凉子作品と似ていました。読んだ瞬間に具体的な作品が思い浮かんでしまう時点でアウトですね。 実は山岸凉子の漫画と似てるなと思ったのは今回が初めてではないのです。あもくんシリーズの「猫ドア」と山岸凉子の「蓮の糸(1993年)」の愛猫ケイトのエピソードが似てると思いました(読んで真っ先に思い浮かんだ)。猫ドアを封印してしまうあたりなんて特に。でも、その時は、まあこの程度は…と思いましたが2回目となると……さすがに、ね。疑ってしまいます。★4か5にしたかったですが、あまりにも山岸凉子の話とイメージが近い(それも2回目)ので評価を★2とします。 映画館ネタ良かったです。
珍しく60~70年代のポップスやB級映画に想を得た連作短編集。 あなたはどこにいってしまったの的な、 哀愁漂う諸星調が魅力。 デビューから長く読み続けている作家です。 怖いようでほのぼのしている、 独特の作風に魅かれます。
昭和テイスト満載
オリオンラジオの夜が全6話。残り2話が昭和テイスト満載の映画館をテーマにしたお話し。 映画館の名前が木元オリオン座。私の生まれ故郷にも遥か昔、オリオン座という映画館がありました。その思い出と被り、懐かしさでいっぱいになりました。 装丁もいい雰囲気です。見た目も触感も。電子書籍には無い味です。 第3集も期待しております。
オリオン座をみあげるような空き地で 古いラジオをつけるとオリオンラジオの 懐かしい放送が聞こえる。 深夜放送のラジオを聞いていた50代以前の 人々には懐かしいような、物語の数々。 オリオンラジオをベースにした短編集です。 途中で雰囲気が変わっているのは、 作者が限界を感じて方向転換したからのようです。 ほとんど新作ですので、オススメです。(^^)