悪いとわかっているのに、それでもなぜ人は嘘をつくのだろう?
自分らしさと誠実さの倫理をめぐり、「人間の複雑さ」と出合う思考の旅
「嘘をついてはいけない」と言われるけれど、嘘をつくとは何をすることで、どう悪いのか。
それでもなぜ嘘をついてしまうのだろうか。
「自分自身であること」を選び取るために、ごまかすことなく嘘を真面目に考えてみよう。
「これから、嘘の哲学を始めます。嘘について丁寧に考えることを通じて、人間とは何だろうかという根源的な問いが問われることになるでしょう。考察は、笑い、苦しみ、善意、友人、家族、社会、尊重、成長、自分らしさにまで及ぶことになります。」(本文より)
第一章 嘘をつくとは何をすることか
1 嘘をつくことと騙すことーー行為と意図
2 言語行為論の枠組みで嘘を考える
3 嘘をつくことと間違ったことを言うことーー「真」と「信」
4 嘘の標準的定義を考えるーー演技性の導入
5 嘘と皮肉の違いとは
6 嘘と冗談の違いとは
7 サプライズのための嘘ーー嘘でないかもしれない
8 自分に嘘をつくーーつきたくない嘘をつく局面
9 嘘に騙す意図は必要ないという説ーー批判的検討
第二章 嘘をつくことはどう悪いのか
1 相手に害を与えるとはーー害説の見方
2 心の傷を害として理解できるだろうかーー尊重説への道標
3 嘘をつくことは自分も苦しめるーー害説の別の局面を探る
4 善意の嘘ーー必要ないかもしれない
5 相手に対する尊重を欠くとはーー尊重説の見方
6 現実に閉じこもらないーー理想を語る哲学
第三章 それでもなぜ嘘をつくのか
1 言葉を学ぶためには嘘を学ばねばならない
2 嘘をつきながら世界で生きる地歩を築く
3 嘘の演技性と身体性
4 内面(心)をもつことの実践としての嘘
5 正直さとはーー心の葛藤と自分を大切にすること
6 自分らしさを求めてーー誠実さの倫理
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